“兀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
は56.0%
はげ26.0%
こつ14.0%
ごつ2.0%
もつと2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここに照る月、輝く日は、兀(は)げた金銀の雲に乗った、土御門家(つちみかどけ)一流易道、と真赤(まっか)に目立った看板の路地から糶出(せりだ)した、そればかり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其(そ)の口(くち)へ、——忽(たちま)ちがつちりと音(おと)のするまで、丼(どんぶり)を当(あ)てると、舌(した)なめずりをした前歯(まへば)が、穴(あな)に抜(ぬ)けて、上下(うへした)おはぐろの兀(はげ)まだら。……
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
靄(もや)が分れて、海面(うなづら)に兀(こつ)として聳(そび)え立った、巌(いわ)つづきの見上ぐる上。草蒸す頂に人ありて、目の下に声を懸けた、樵夫(きこり)と覚しき一個(ひとり)の親仁(おやじ)。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アフリカのほうにははるかに兀(ごつ)とした岩山の懸崖(けんがい)が見え、そのはずれのほうはミラージュで浮き上がって見えた。苦海(ビッターシー)では思いのほか涼しい風が吹いたが、再び運河に入るとまた暑くなった。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
兀(もつと)も周三は近頃(ちかごろ)恐(おそ)ろしい藝術的(げいじゆつてき)頬悶(ほんもん)に陥(おちい)ツて、何うかすると、折角(せつかく)築上(つきあ)げて來た藝術上の信仰(しんかう)が根底(こんてい)からぐらつくのであツた、此のぐらつきは、藝術家に取(と)りて、最(もつと)も恐るべき現象(げんしやう)で
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)