“截”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
74.4%
18.9%
2.4%
1.2%
きっ0.6%
きり0.6%
0.6%
せつ0.6%
たち0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十坪程の表庭の草木は、硝子箱ガラスばこの中の標本のように、くっきり茎目くきめ立って、一きわ明るい日暮れ前の光線に、形をり出されている。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
とお筆でさえも、上気したかのように、そこまで語り続けたとき、彼女はいきなり言葉をち切って、せつなそうな吐息を一つ洩らした。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
すつかりり離されて、自由な空にかけつて居る自分でゞもあるやうな、豊かな心持ちが、暫らくは払つても/\、消えて行かなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
雀の尻上を横りした図を出し、確か指を切って血止まらざるを止めんとならば、活きた雀を腰斬りしてその切り口へ傷処をさし込むべしとあったと記憶するが
御覧遊ばせ今料理人がちょいとナイフできったと思うとすぐ肩の骨が二つに離れました。見ているとあの通り優しいようですが自分で致すとなかなかむずかしくって容易にあの蝶番いが見当りません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
静海、刀をおろし、陰茎の脇、ふぐりの右の方を五六寸もきり割りたりとか。おのれにはただ冷水を注ぐかと思われぬ。この時、うまの刻の鐘きこえけり。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どうして過して居るか知らんと思うと私は寝て居る中にも涙が出てはらわたを断ちかるるの思いがある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
東に召すと東に徙るとは分明に二せつをなしてゐる。わたくしの読むことが精しくなかつたと謂はなくてはならない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
葛の三ツ葉が、青く重なり合い、その下から川の瀬音が、葉をむくむくともたげるようにして、耳にかよって来る、対岸の山を仰ぐと、斜めにっ立った、禿げちょろの「たちぎ」の傍には唐松の林が
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)