“くらがり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暗闇32.3%
闇黒16.1%
暗中12.9%
暗黒6.5%
闇中6.5%
6.5%
6.5%
暗夜3.2%
暗所3.2%
闇地3.2%
黯黮3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はその声をきくといくらか気持よく感じながら、人通りのぱったりと途絶えた暗闇くらがりを今までよりもなお急ぎ足に走った。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
そこの天井裏の広い板敷の薄闇黒くらがりに四十年輩の体の小締めな、私の見知らない紳士と、背のすらりとした若い女と、ひそひそ立話をしてゐるのに出会した。
和解 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
片山家かたやまがおそ縁柱えんばしら暗中くらがりに、しにして、もだえてふるうでからは、れた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
心配さうな顏をして、淺野がかう訊いた時、表の方の暗黒くらがりから
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
彼は闇中くらがりでも多少は物が見えるらしい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今や楠党は主力を東条に集結し、別軍は河内のくらがり峠を固めて、敵を待った。
四条畷の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
くらがりで私の謝った娘は、姉の方だったのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
さくら街樹なみきからんだなり、暗夜くらがりこずゑえた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そうして真っ直ぐに前方を見ると、面紗の女とダンチョンとが木立の繁った暗所くらがりの方へ、側目わきめもふらず歩いて行く。程よい間隔を中に保って、ラシイヌはその後を追って行った。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こゝを寝所ねどころにせばやと闇地くらがりさぐり/\入りて見るに次第しだいあたゝか也。
昨日きのふこそ誰乎彼たそがれ黯黮くらがりにて、分明さやか面貌かほかたちを弁ぜざりしが、今の一目は、みづからも奇なりと思ふばかりくしくも、彼の不用意のうちに速写機の如き力を以てして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)