)” の例文
普通に茜染めのあった時代にせの茜染めがあった。それは蘇枋スオウで染めたもので本当の茜染めよりはその色が赤かったのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
せ藍丸王は狩場から宮中へ帰って、晩の御飯を済ますと直ぐに、家来に云い付けて、自分のへやに新しい椅子を四ツ運ばせて、象牙の机の周囲まわりに並べさせた。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
僕にも時々夏目なつめ先生の書を鑑定かんていしてくれろと言ふ人がある。が、僕の眼光ではどうも判然とは鑑定出来ない、唯まつ赤なせものだけはおのづから正体しやうたいを現はしてくれる。
続澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
せてかたへに近よりて、羽ある言句陳じ曰ふ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
せ侍斬りに就いて大目附へ出頭した紋服姿の石月平馬と、地味な木綿縞もめんじまに町の低い役袴やくばかまを穿いた三五屋、佐五郎老人が、帰り道に招かれて夕食の饗応もてなしを受けていた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僕は近頃そのせものの中に決して贋にものとは思はれぬ一本のあふぎに遭遇した。成程なるほどこの扇に書いてある句は漱石そうせきと言ふ名はついてゐても、確かに夏目先生の書いたものではない。
続澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なかなかもって……お関所破りのせ若衆とあれば天下の御為に容易ならぬ曲者くせものと存じ、当藩の役柄の者に付き纏うところを、ここまでい詰めて参いったとあれば
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この通りせもので……
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
せ金使いです……
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)