“饗応”のいろいろな読み方と例文
旧字:饗應
読み方割合
きょうおう64.2%
もてなし13.9%
ごちそう5.5%
もてな4.2%
ふるま2.4%
きやうおう2.4%
ちそう1.8%
アルジ1.8%
ふるまい1.2%
あるじぶり0.6%
すす0.6%
ふるまひ0.6%
ふるも0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、そのような私の遊びの相手になって、私の饗応きょうおうを受ける知人たちも、ただはらはらするばかりで、少しも楽しくない様子である。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
「放浪の旅の者で御座います、一飯の喜捨と一夜の饗応もてなしにあづかりたい——」哀れげに声を落して斯う申し出るつもりであつた。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
父も母も呼んで来て引き合せたうえで、おおい饗応ごちそうをして、その日から老人にいてもらおうと思って、老人にそのことを云ってみると、老人は
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
屋敷の主人は弥兵衛のために、驚くばかりの馳走をし、茶菓を出し酒肴をととのえ、着飾った娘のおきたをさえ出し、琴を弾かせて饗応もてなした。
一枚絵の女 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かういつた風で、いつも偽物ぎぶつに箱書をしたり、薄茶でも一服饗応ふるまはれると、出先で直ぐ席画をいたりするので、家族連の心配は一とほりでない。
鳥羽は道円に舟で饗応きやうおうせられたことなどがあるから、果して道円が毒を盛つたとすると、鳥羽に疑はしいふしがないでもないが
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
監物の一行はその夜戸波へはの村役人の家へ一泊した。村役人の表座敷には遅くまで灯が灯って、監物一行が酒の饗応ちそうになっていた。
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
此に対照的なものに、をみがあつた。おみは大忌(人)で、主上が神となられ、同時に饗応アルジ役となられるのに対して、其為事を補佐する位置に立つ為に、禁欲生活をして、宮廷に籠つてゐる。
御神輿様を総領事館へかつぎ込みますと、そこで一同へ御酒のお饗応ふるまいがあって後、奥様がお挨拶にお出ましになり御祝儀を下さる、それがまあ例なのでございます。
機密の魅惑 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
九二井臼せいきうつとめはたもてなすにらざれども、おのが心なり。いやしみ給ふことなかれ。赤穴なほ答へもせで、長嘘ながきいきをつぎつつ、しばししていふ。賢弟がまことある饗応あるじぶりをなどいなむべきことわりやあらん。
乾草と燕麦とをひどく熱心に饗応すすめるけれど、もし、旅客があたりまへに、十人並の朝餐が摂りたかつたなら、彼は厭でも応でも食慾を次ぎの機会まで我慢するより他はなかつた。
晩餐の饗応ふるまひにあづかりたる後、好める学術の談話に思はず時刻を移し、やうやくに辞し去りたる頃は、はや仲秋望後の月の、大空に輝く時なりけり。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
九時過ぎに、店の方はほぼかたがついた。新吉は小僧二人に年越しのものや、蕎麦そば饗応ふるもうてから、代り番こに湯と床屋にやった。店も奥もようやくひっそりとして来た。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)