“いえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イエ
語句割合
家82.5%
否2.9%
雖2.1%
癒1.9%
自家1.2%
屋1.0%
家屋0.8%
自宅0.6%
実家0.4%
楼0.4%
云0.4%
人家0.4%
住家0.4%
住居0.4%
宅0.4%
家内0.4%
家庭0.4%
愈0.4%
舎0.4%
故家0.2%
内儀0.2%
邸0.2%
妓楼0.2%
宅舎0.2%
宮殿0.2%
居得0.2%
建物0.2%
洋館0.2%
語0.2%
謂0.2%
青楼0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ハントの家はカーライルの直(じき)近傍で、現にカーライルがこの家(いえ)に引き移った晩尋ねて来たという事がカーライルの記録に書いてある。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『否(いえ)。』とお利代は何氣ない顏をしてゐる。『あら、何處へ行つてらしつたんですか? お髮(ぐし)に木の葉が附いて。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
江戸広しと雖(いえ)ども、市に売る者なし、家に織る者なし。学者書生の如きもその行く所を知らず、大都会中復(ま)た一所の学校を見ず、一名の学士に逢わず。
故社員の一言今尚精神 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
又市は疵口の膏薬を貼替えまして、白布で巻いては居りますが、疵も大方癒(いえ)たから酒好(さけずき)と云う事を知り、膳立(ぜんだて)をして種々の肴を拵(こしら)えまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
素姓(すじょう)のたしかでない浪人なぞと往来していることが知れたら、自家(いえ)の者が何を言い出すかも解らないと考えたばかりではなく、なにかしら一つの秘密を保っていたいと言ったような
輪転機関の屋(いえ)を撼(うごか)す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶(あいさつ)して、こつこつと長い狭い階梯(はしご)を登って、さてその室(へや)に入るのだが、東と南に明いたこの室は
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
家屋(いえ)だつて蜜蜂飼風情の小舎などとはずんときれいで、果樹園ときたら、いやどうも、あなた方の彼得堡(ペテルブルグ)にだつて、あれだけのものはちよつとやそつとには見当りますまいからね。
突然暇(いとま)を告げて、そしてぼんやり自宅(いえ)に帰った。かれは眩暈(めまい)のするような高いところに立っていて、深い谷底を見下(お)ろすような心地(ここち)を感じた。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
実家(いえ)を出て十年にもなる。流浪から流浪、艱難から艱難、いろいろのお方とも出入りを
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この楼(いえ)の者は二人を呼ぶに、金伽羅、制多伽の名を以てして、その実の名を呼ぶ者がありません。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
発句(ほく)案ずる事諸門弟題号の中より案じいだす是なきものなり、余所(よそ)より尋来(たずねきた)ればさてさて沢山成事(なること)なりと云(いえ)り、予が云、我『あら野』『猿蓑(さるみの)』にてこの事を見出したり
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
やがて十四、五軒の小屋のような人家(いえ)が、寒そうに塊まっている郷へ出た。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼は度々住家(いえ)を変えた。彼の移転性は名高いもので一生の間に江戸市中だけで、八十回以上百回近くも転宅(ひっこし)をしたということである。越して行く家越して行く家いずれも穢ないので有名であった。
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
巨大な公孫樹(いちょう)が立っていた。その根もとに茶店があった。すなわちお色の住居(いえ)であった。犬が門を守っていた。と尾を振って走って来た。よく見慣れている弓之助だからで、懐しそうにじゃれついた。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)が、天平(てんぴょう)四年三月佐保(さお)の宅(いえ)で詠んだ歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
アンポンタンは成長するにしたがい家内(いえ)のなかの異端者としてみられていたから、どうする事も出来ないで、抱えの時分、流山(ながれやま)みりん瓶入の贈物(つかいもの)をもってくる彼女の背中を目で撫ていたが
と云うのは、この時代の風習として、家庭(いえ)にいないで、江戸へ出、学問に精進していたからである。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
原来彼の黄金丸は、われのみならず畏(かしこ)くも、大王までを仇敵(かたき)と狙(ねら)ふて、他(かれ)が足痍(あしのきず)愈(いえ)なば、この山に討入(うちいり)て、大王を噬(か)み斃(たお)さんと計る由。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
舎(いえ)の中へ、響き亙るように怒鳴った。月丸は、ちらっと、小太郎を見たが、すぐ、義観へ
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
何、僕の故家(いえ)かね、君、軽蔑(けいべつ)しては困るよ。僕はこれでも江戸っ子だよ。しかしだいぶ江戸っ子でも幅のきかない山の手だ、牛込の馬場下で生まれたのだ。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこから坂のほうへ二三軒行くと古道具屋がある。そのたしか隣の裏をずっとはいると、玄関構えの朽ちつくした僕の故家(いえ)があった。もう今は無くなったかもしれぬ。僕の家は武田信玄の苗裔(いえすじ)だぜ。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お内儀(いえ)はん斯(こ)ういう最中で争論(いさかい)をしては済みまへんが、一寸(ちょっと)これに就(つ)いておはなしがあるんでおす、一昨夜(おとつい)私(わたい)が一寸用場へ参りまして用を達(た)してから、手を洗うていると
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
番「こ、是じゃ、お内儀(いえ)はん、是はお嬢様(さん)が不断持って居やはりました巾着でがしょう」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
子のない彼は、弟夫婦の邸(いえ)に、子が生れてからというもの、三日に一度は、どうしても、訪れてみねば気がすまないらしかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから、秋になっても、なかなか蠅(はえ)が減らなかった。歌人である範綱朝臣(のりつなあそん)は、永く住み馴れた邸(いえ)ではあったが、それでも時々
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその妓楼(いえ)を見届けると、自家(うち)へ帰って午(ひる)まで寝た。彼が妓楼(ぎろう)というものに始めて上がったのはその夕であった。
この者も持呪者のために一切の要物(いるもの)を持ち来り、不快な物を除(の)け去り、宅舎(いえ)を将ち来り掃灑(そうじ)し、毒害も及ぶ能わざらしめるなど至極重宝だが、持呪者食時ごとに、まず飲食をこれに与え
ああ、マカの城は、よきところ、うつくしき宮殿(いえ)
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
「なに平気なものか。平生あんなに快濶(かいかつ)な男が、ろくに口も利(き)き得ないで、お前さんの顔色ばかり見ていて、ここにも居得(いえ)ないくらいだ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
と突然ラシイヌは鋭い忍び音(ね)で注意した。で、レザールは立ち止まって前方の闇をすかして見た。窓々へ鎧戸(よろいど)を厳重に下ろして、屋内の燈火を遮断した、小柄の洋館(いえ)が立っている。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
本船はここに待つべしと示し小船海底に入りて竜宮に到る、竜宮の殿閣奇麗言うべからず、竜王出会いて語(いえ)らく、従類多く讐敵に亡ぼされ今日また害せらるべし
ソレ書生タルモノ平時互ニ相誇ルニアルイハ博覧考証ヲ以テシアルイハ詩若シクハ文章ヲ以テシ皆自ラ謂(いえ)ラク天下己(おのれ)ニ若(し)クモノハ莫(な)シト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一流とゆるされる青楼(いえ)は、その二軒に限っていた。光悦、紹由、武蔵の三人が客となって坐ったのは扇屋のほうなのである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)