“眩暈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めまい70.5%
めまひ15.3%
げんうん4.5%
めま1.9%
くるめき1.5%
めくるめ1.1%
めくるめき1.1%
くら0.7%
めくる0.7%
くる0.4%
くるめ0.4%
くるめく0.4%
めくら0.4%
めんけん0.4%
よい0.4%
よっ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐々が気づいたとき、最先まっさきに感じたのは恐ろしい眩暈めまいであった。脳味噌が誰かののうちにギュッと握られているような感じだった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三方にめぐらした手摺は丁度大人おとなの腰の下まで屆くほど。眩暈めまひがした位では、これを乘り越して下へ落ちさうな樣子はありません。
彼は椅子いすの上に身を落とし、頭と両腕とを寝台の上に投げ出し、とらえ所のない考えのうちに沈み、あたかも眩暈げんうんでもしてるかのようだった。
それをしも押しのけて、自らによって他を焼き尽そう情熱、自分はまたしても眩暈めまいがした。裂けた。息を吹き返して気が付いたときに、自分は醜い姿に壊れていた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ワルツの舞の哀れさよ、疲れ倦みたる眩暈くるめき
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
老いたる男、最後の一撃をなさむとする所に、忽ち眩暈めくるめき倒れ、槌は手を離れて地上に落つ。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
心に充ちて——眩暈めくるめき、転落、潰乱、はた遺恨!——
私はジッと見詰めているうちに、握りしめたや脇の下からネトネトとした脂汗が滲出にじみで、眼も頭も眩暈くらみそうな心の動揺に、どうしてもその部屋を抜出さずにはいられなかった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
眩暈めくるめく悲愁かなしみはて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その青澄あおずんだ、底無しの深淵ふちを、いつまでもいつまでも見つめているうちに、私の目は、いつとなくグルグルと、眩暈くるめき初めました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そとは金を施したれば、みる目眩暈くるめくばかりなれども、内はみな鉛にて、その重きに比ぶればフェデリーゴの着せしは藁なり 六四—六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
疲れ倦み眩暈くるめくけわひ。
小曲二十篇 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
重き煙草にまどはしく眩暈めくらみながら。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「鯉なり鯉なり、好きりょうなり」と、口々に賞讃するにぞ、却つて得意に之を振り廻したれば、哀れ罪なき鯉は、予の名誉心の犠牲に供せられて、さぞ眩暈めんけんしたらんと思ひたりし。
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
食後、一同は思い思いに船中に散らばって、一団は甲板椅子へ帰り、中には、食堂から直ぐ自分の船室キャビンへ引き籠ったきり、眩暈よい気味なのか、出て来ない人もあった。
海妖 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
かねて果心居士かしんこじにおしえられてあった破術遁明はじゅつとんめいの急法をおこない、蝶群ちょうぐんの一かくをやぶって、三に、わしを飛ばそうとすると、クロは白蝶群はくちょうぐん毒粉どくふん眩暈よって、つばさを弱められ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)