いなや)” の例文
左らば討てとて待ける故是非ぜひなく首をとる。兼て申付たるか、下人は槍を合するやいなや、方々へ逃げ失せぬ
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
貴方あなたなどは、才智さいちすぐれ、高潔かうけつではあり、はゝちゝとも高尚かうしやう感情かんじやう吸込すひこまれたかたですが、實際じつさい生活せいくわつるやいなやたゞちつかれて病氣びやうきになつてしまはれたです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
爲す者其方の外には決して有可からず能せよかしと内命ないめいありしに忠相ぬしも推辭いなむすべなく遂に天一をして僞者にせものとし二葉ふたばの中につみたるなりとの事實に然るかいなや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
利根とね水源すゐげん確定かくていし、越後えちごおよ岩代いわしろ上野かうずけの国境をさだむるを主たる目的もくてきとなせども、かたは地質ちしつ如何いかん調査てうさし、将来しやうらい開拓かいたくすべき原野げんやなきやいなや良山林りやうさんりんありやいなや
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
惟うに、恩人隈公、及その他の諸君は、余が説をるるやいなや(拍手、大喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
起てり「行徳君は僕を誣告者ぶこくものと言はれた、しからん、——諸君、僕が誣告者であるかいなやは、公明正大なる諸君の判断に一任します、僕は只だ良心の命ずる所にしたがつて此事を言ふのである」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
貴方あなたなどは、才智さいちすぐれ、高潔こうけつではあり、ははちちとも高尚こうしょう感情かんじょう吸込すいこまれたかたですが、実際じっさい生活せいかつるやいなやただちつかれて病気びょうきになってしまわれたです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
従来藤原村ふじはらむら三十六万町歩即凡そ十三里四方ありとごうする者はたしてしんなりやいなや動植物どうしよくぶつおよび鉱物の新奇しんきなるものありや否等をきはむるにり、又藤原村民の言に曰く
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)