“号”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
さけ25.4%
ごう15.3%
13.6%
がう11.9%
なづ5.1%
わめ5.1%
しるし3.4%
ナヅ3.4%
ナノ3.4%
1.7%
おら1.7%
これ1.7%
1.7%
なず1.7%
なづく1.7%
1.7%
サケ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あちらを向いていなさいと彼方を向かせ、卒然変な音を立て高くさけび、どこが一番疼いと聞かれたら、歯が最も疼むと答うるに限る。
伊賀いが上野うえのは旧藤堂とうどう侯の領分だが藩政の頃犯状はんじょうあきらかならず、去迚さりとて放還ほうかんも為し難き、俗に行悩ゆきなやみの咎人とがにんある時は、本城ほんじょう伊勢いせ安濃津あのつ差送さしおくるとごう
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
虎の児を善搏とづけ生長する内、母獣ふたつながら病んで臨終に両児を戒め、汝らは同じ乳を吸うて大きくなったから同胞に等し
それから半年ほどたつたとき、ちの一万二千三百七十五がうの△△債劵さいけん仲買なかがひ人をて、ある田なかの大地主ぢぬしわたつてゐた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
『藤原温泉記行』の著者が「布引山より大烏帽子山へ掛る処に雪の絶ざるところ有と、土人万年雪となづく。外にもヶ様の処ありといふ」
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
左様ならと清吉は自己おのが仕事におもむきける、後はひとりで物思ひ、戸外おもてでは無心の児童こども達が独楽戦こまあての遊びに声〻喧しく、一人殺しぢや二人殺しぢや、醜態ざまを見よかたきをとつたぞとわめきちらす。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
イエスをわたす者かれらにしるしをなしてひけるは我が接吻くちづけする者はそれなり之をとらへよ。直にイエスに来りラビ安きかと曰て彼に接吻くちづけす。イエス彼に曰けるは、友よ何の為に来るや。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
自余コノホカ或ハ小店ト称シ、或ハ五軒トナヅケ、或ハ局ト呼ブ者ノ若キハ曾テ算フルニ遑アラズ。(中略)且又茶屋ハ梅本、家満喜、岩村等ト曰フモノ大ニ優ル。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其秀起カノホダたる浪の穂の上に、八尋殿てゝ、手玉タダマもゆらにハタ少女ヲトメは、是誰が女子ムスメぞ。」答へて曰はく、「大山祇神の女等、は磐長姫とナノり、オトは、木華開耶姫とナノる。」……(日本紀一書)
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
襟足えりあしを見せるところに媚態がある。喜田川守貞きたがわもりさだの『近世風俗志』に「首筋に白粉ぬること一本足とつて、際立きわだたす」といい、また特に遊女、町芸者の白粉について「くびきわめて濃粧す」といっている。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
はためきおらび、たちまち悪獣のえさに跳るがごとく突き寄らんとするや、若僧は怪しく叫びて谷に下れる森林の中に身を退すさり、妙念これにつづきて二者の姿見えずなる。若僧の悲鳴。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
うね/\とうすひかみづすぢかげえない船脚ふなあしなみ引残ひきのこされたやうなのが、あたままるとがどうながくうねり、あし二つにわかれて、たとへば(これ)がよこの(はち)の向合むかひあつて、みづうみなかばりやうしてうか
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左に続いて離れ屋と茶室があり、そのうしろに主が『望翠楼』とけている高二階、破風はふ造りの閣が建っていた。
夜明けの辻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
数年ののち、いずこにも籍を置かぬ一そうの冒険船が、滝太郎を乗せて、拓お兼が乗組んで、大洋の波にうかんだ時は、必ずこの黒百合をもって船になずけるのであろう。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
広大なる一は不繋の舟の如し、誰れか能く控縛こうばくする事を得んや。こゝに至れば詩歌なく、景色なく、いづれわれ、何を彼と見分るすべなきなり、之を冥交と曰ひ、契合ともなづくるなれ。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
むかしむかし棄老国とばれたる国ありて、其国そこに住めるものは、自己おの父母ちちははの老い衰へて物の役にも立たずなれば、老人としよりは国の費えなりとて遠き山の奥野の末なんどに駆りつるを恒例つねとし
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
准南子えなんじニ曰ク「養由基ヨウユウキ楊葉ヨウヨウヲ射ル、百発百中、恭王キョウオウ猟シテ白猿ヲ見ル、樹ヲメグッテヲ避ク、王、由基ニ命ジ之ヲ射シム、由基始メ弓ヲ調ベ矢ヲム、猿スナワチ樹ヲ抱イテサケブ」
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)