“向合”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかいあ37.9%
むきあ31.0%
むかひあ13.8%
むかいあい3.4%
むかいあわ3.4%
むかいあわせ3.4%
むきあい3.4%
むきあわ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
気合があらたまると、畳もかっと広くなって、向合むかいあい、隣同士、ばらばらと開けて、あわいが隔るように思われるので、なおひしひしと額を寄せる。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子爵と探偵は、頸飾のおいてある卓子テーブルを間に向合むきあって坐った。龍介は窓際の長椅子に腰かけて、窓硝子ガラスに身を、もたせかけていた。
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
菊池君から四人目、恰度私と向合むかひあつて居て、芸妓を取次に二三度盃の献酬やりとりをした日下部君は、時々此方こつちを見て居たが、遂々盃を握つて立つて来た。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ちょうど、椅子を開いて向合むかいあいに一つ空席あきがありましたので、推されながら、この真中ほどへ来た女たちが
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
話した発奮はずみに、あたかもこの八畳と次の長六畳との仕切が柱で、ずッと壁で、壁と壁との間が階子段はしごだん向合むかいあわせに欞子窓れんじまどのように見える、が、直ぐに隣家となりの車屋の屋根へ続いた物干。一跨ひとまたぎで出られる。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東京の坂のうちにはまた坂と坂とが谷をなす窪地くぼちを間にして向合むかいあわせに突立っている処がある。
二人はテーブルを距てて端然ちゃん向合むきあいに坐って、「お入りなさい」どうも種々いろいろな芸当をする奴等だ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
上をおおうた黒布の下に、色が沈んで、際立って、ちょうど、間近な縁台の、美しいひと向合むきあわせに据えたので、雪なすおもてに影を投げて、なまめかしくもすごくも見える。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)