“じょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
15.1%
14.2%
11.5%
9.2%
6.9%
6.2%
4.5%
4.4%
4.0%
3.4%
3.4%
3.0%
2.8%
2.1%
1.8%
1.3%
0.9%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.3%
0.3%
女偊0.1%
0.1%
0.1%
定跡0.1%
0.1%
素姓0.1%
老嬢0.1%
0.1%
0.1%
鎖鑰0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに戸棚という戸棚、押入という押入のたぐい、いずれをも押してみても、がっちりじょうが下りている、そうでなければ釘附けです。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
少しは邪推の悋気りんききざすも我を忘れられしより子を忘れられし所には起る事、正しき女にも切なきじょうなるに、天道怪しくもこれを恵まず。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あんじょう、兄は押絵になって、カンテラの光りの中で、吉三の代りに、嬉し相な顔をして、お七を抱きしめていたではありませんか。
押絵と旅する男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その頃、崖邸のおじょうさんと呼ばれていた真佐子は、あまり目立たない少女だった。無口で俯向うつむがちで、くせにはよく片唇かたくちびるんでいた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
序でに酒屋へ行って酒を二升、味淋みりんを一升ばかり、それから帰りに半紙を十じょうばかりに、煙草を二玉に、草鞋わらじの良いのを取って参れ
きもも太いが手ぎわもいい、たちまち三じょうあまりの絶壁ぜっぺきの上へみごとにぐりついて、竹生島ちくぶしまの樹木の中へヒラリと姿をひそませてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
民をい、じょう(教えの個条)にたがい、法を犯した罪によって、かの牡丹燈を焼き捨てて、かれらを九泉きゅうせんの獄屋へ送るというのであった。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
わたしはかつて弋陽よくようじょうを勤めていたことがあります。その土地には猿が多いので、わたしの家にも一匹を飼っていました。
万事がそういう調子なのですから、真に遊びになります。しかも舟はじょうだなひのきで洗い立ててありますれば、清潔この上なしです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
むろんそれは、手組てぐみいかだにのってほりをこえ、たちのそうどうにじょうじて、ここへ潜入せんにゅうしてきた、木隠龍太郎こがくれりゅうたろう巽小文治たつみこぶんじのふたりである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日永ひながの頃ゆえ、まだくれかかるまでもないが、やがて五時も過ぎた。場所は院線電車の万世橋まんせいばしの停車じょうの、あの高い待合所であった。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは丸太まるたんで出来できた、やっと雨露うろしのぐだけの、きわめてざっとした破屋あばらやで、ひろさはたたみならば二十じょうけるくらいでございましょう。
やがて、中でもいちばん勇敢ゆうかんなネズミが一ぴき、その穴の中にとびこんで、いまにもグリンミンゲじょうの中へ突入とつにゅうしようとしました。
ともすれば無情を感じ、隠遁いんとんを好み、一りゅうじょう、全国の名所寺社でも行脚して歩いたら、さぞいいだろうと思うような、反世間的な、放浪的な気もちがあるものです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それをおとよはどうしても、ようございますといわないから、父のじょうが少しも立たない。それが無念でたまらぬのだ。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
明十四日の上覧能に持参せよとのごじょうがござったゆえ、うろたえてようやく借用の百金を調達いたし、さきほど受け質に参ったのじゃが、しかるに、どうしたことやら——
さきごろ、友人保田与重郎の文章の中から、芭蕉のき一句を見いだした。「朝がほや昼はじょうおろす門の垣。」
大工の木曾ノじょう蒔絵まきえの遠江ノ介、塗師ぬしの源五郎。いや居るわ居るわ……鼓打つづみうちの桐作やら仮面めん打ちの道白どうはくまでが……。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楽官補佐のようと、けい打ち役のじょうとは海をこえて島に逃げた。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
これは右近うこんじょうで宰相中将の手もとに使っている男であった。
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それはそのむかし予と交わりのあった喬公きょうこうの二じょうを見ることだ
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いぐらお講だと言うても、じょう年中に念仏や唱妙ばかりでもあんめえ、講の後で茶を飲めば、茶飲み話というのも出るでがしょう。話や相談はその時で結構じゃ。
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
四年の後、彼は、七位ノじょうにまで、登った。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日本でも大安寺の勝業しょうごう上人が水観をじょうじた時同じく石を投げ入れられて、これはむねが痛んだという談があって、何も希有けうな談でも何でもない。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
じょう、笑談じゃござんせんよ。あんまり大きな声をお出しなすったんで、きもをつぶしました。魚は川のうじと言うくれえなものなんだもの、ハヤがいたって何も珍しかござんせんよ」
女偊じょう氏は一見きわめて平凡な仙人せんにんで、むしろ迂愚うぐとさえ見えた。悟浄が来ても別にかれを使うでもなく、教えるでもなかった。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そういうことに気がつきだしたころ、行く手の水が赤黒く濁ってきて、かれは目指す女偊じょう氏のもとに着いた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
じょう串戯じょうだんをいっちゃ不可ません。誰がそんな、だってお前さん、火の玉の一件じゃありませんか。ええ、おかみさん。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じょう串戯じょうだんをするな、、誰だよ、御串戯もんですぜ。やぶから棒に土足を突込みやがって、人、人の裾を引張るなんて、土、土足でよ、、足ですよ、失礼じゃねえか、、何だな、、誰だな。」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ある日、狸は自分のうちで、例のとおりありがたいごきとうをしていますと、おおかみがお米を三じょうさげて来て、どうかお説教をねがいますと云いました。
蜘蛛となめくじと狸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
何よりも先に平馬殿の処へ参いるのが定跡じょう……とあの時に思うたけに、一つ平馬殿の器量をめいて見るつもりで、わざっと身共の潔白を披露せずにおいたものじゃったが。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
錦切きんぎれの衣裳をつけた正旦せいたんの鼠や、黒い仮面めんをかぶったじょうの鼠が、続々、鬼門道から這い出して来るようになると、そうして、それが、飛んだり跳ねたりしながら
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
松の木の裏にたおれた女人の素姓じょうは、まもなくわかりました。これは町内の木屋という木綿問屋の旦那のおめかけでありました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
山国なのに、町には晩に燈火あかりもないのですから! 出かけるとします。暗やみばかりです。それで私は申すのです、そしてまた、お老嬢じょうさままで私のように申されて……。
三島みしまじょうは先輩の家を出た。まだ雨が残っているような雨雲が空いちめんに流れている晩で、暗いうえに雨水を含んだ地べたがじくじくしていて、はねあがるようで早くは歩けなかった。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おい、それだっても無銭ただじゃあいけねえよ、はばかりながら神方しんぽう万金丹、一じょう三百だ、欲しくば買いな、まだ坊主に報捨ほうしゃをするような罪は造らねえ、それともどうだお前いうことをくか。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鎖鑰じょうけてはくれなかった。自然はなかなか秘密がっていて
(小箱を箪笥に入れ、じょうを卸す。)
にあらず。無にあらず、動にあらず、じょうにあらず、しゃくにあらず、びゃくにあらず……」その句も忍藻の身に似ている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
じょう州にという男があった。家は豊かで、その妻の実家も富んでいて、夫婦の仲もむつまじく、なんの欠けたところもなかった。
前足皆白い馬をけい、後足皆白きを、前右足白きは啓、前左足白きは、後右足白きはじょう、後左足白きはしゅなどなかなか小むつかしく分別命名しある。わが邦も毛色もて馬を呼ぶに雑多の称あり。