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空
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むだ
ふりがな文庫
“
空
(
むだ
)” の例文
智惠子は考へ深い眼を足の爪先に落して、歸路を急いだが、其心にあるのは、例の樣に、今日一日を
空
(
むだ
)
に過したといふ悔ではない。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今からお眼が狂ふもの、乃公が時計は
違
(
くる
)
ふたと、後のお詞聞かぬ為、私が合はしておきますると。ただ一分のその隙も、
空
(
むだ
)
に過ごさぬ、竜頭巻。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
羨
(
うらや
)
まず
旦
(
あした
)
より
暮
(
くる
)
るまで
只管
(
ひたすら
)
米を
搗
(
つき
)
一
粒
(
つぶ
)
にても
空
(
むだ
)
にせず其勤め方
信切
(
しんせつ
)
なりければ主人益々悦び多くの米も一向に
搗減
(
つきへり
)
なく取扱ひ夫より其年の
給金
(
きふきん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
甘い香のする柿の花が咲くから、青い
蔕
(
へた
)
の附いた
空
(
むだ
)
な實が落ちるまで、私達少年の心は何を見ても退屈しませんでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
相師の一言のおかげで、かかる美容を持ちながら盛りの花を
空
(
むだ
)
に過さしむるを残念がって、請わるるままに父が妙光を殺婦に遣った心の中察するに余りあり。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
愛
(
あい
)
ちやんは
物憂
(
ものう
)
さうに
長太息
(
ためいき
)
を
吐
(
つ
)
きました。『
此
(
この
)
時間
(
じかん
)
で、もつと
何
(
なに
)
か
好
(
い
)
いことをした
方
(
はう
)
が
可
(
い
)
いわ、
解
(
と
)
けもしない
謎
(
なぞ
)
をかけて
空
(
むだ
)
に
浪費
(
つぶ
)
すよりは』と
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そして家へ歸ると直に、澤山の原書を取ツ散かした書齋に
引籠
(
ひきこも
)
ツて、
書
(
ほん
)
を讀むとか、思索に耽るとか、
設
(
よし
)
五分の時間でも
空
(
むだ
)
に費やすといふことが無い。
他
(
ひと
)
から見れば、淋しい、單調な生活である。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
智恵子は考へ深い眼を足の爪先に落して、
帰路
(
かへりぢ
)
を急いだが、其心にあるのは、
例
(
いつも
)
の様に、今日一日を
空
(
むだ
)
に過したといふ悔ではない。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甘い
香気
(
におい
)
のする柿の花の咲くから、青い
蔕
(
へた
)
の附いた
空
(
むだ
)
な実が落ちるまで、少年の時の遊び場所であった土蔵の前あたりの過去った日の光景はまだ彼の眼にあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
隱居の
勘解由
(
かげゆ
)
はもう六十の阪を越して體も弱つてゐるが、小心な、一時間も
空
(
むだ
)
には過されぬと言つた
性
(
たち
)
なので、小作に任せぬ家の周圍の菜園から桑畑林檎畑の手入、皆自分が手づから指揮して
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
隠居の
勘解由
(
かげゆ
)
はモウ六十の坂を越して体も弱つてゐるが、小心な、一時間も
空
(
むだ
)
には過されぬと言つた
性
(
たち
)
なので、小作に任せぬ家の
周囲
(
まはり
)
の菜園から桑畑林檎畑の手入、皆自分が手づから
指揮
(
さしづ
)
して
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“空”の解説
空(そら、霄、en: sky)とは、地上から見上げたときに頭上にひろがる空間のこと。天。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
“空”を含む語句
空腹
空洞
空虚
空想
空手
虚空
空間
蒼空
空嘯
空々
青空
空中
碧空
大空
空地
中空
空気
空車
空隙
空室
...