“空室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あきま36.4%
あきべや31.8%
くうしつ13.6%
あきしつ9.1%
うつむろ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて、細目にそっとあけると、左は喜兵衛の伝ったかた、右は空室あきま燈影ひかげもない。そこからかくに折れ曲って、向うへ渡る長廊下。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とにかく二十分ほど、がらんとした空室あきべやの中へ靴のまま上がって、窓框まどかまちに腰をかけて待っているうちに神村は出てゆきました。
アパートの殺人 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
その室を一巡してから、法水は左隣りの空室くうしつに行った。そこは、昨夜易介が神意審問会の最中に人影を見たと云う、張出縁のある室だった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一行は、誰もいない室内に入ったときに、なんだか低いうなごえを聞いたように思ったが、室内を探してみると、猫一匹いなかった。全くの空室あきしつだった。
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
火屑ほそくづのなげきも弱に——空室うつむろ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)