がら)” の例文
そのがらんとした図書室を横切って、突当りの明りが差している扉を開くと、そこは、好事家こうずか垂涎すいぜんの思いをさせている、降矢木の書庫になっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それとも自分がいなくなってからのちは、机をえたまんま、がらどうにしてあるかしらん。そうすると、あの布団も掻捲も、畳んだなり戸棚にしまってあるに違ない。もったいないもんだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
またその一つのみが素晴らしく大きなもので、ほとんど三メートルを越すかと思われるほどの高さだった。そこから、向う側の壁までの間は、がらんとした側柏てがしわの板張りだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)