“安坐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぐら72.7%
あんざ27.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、バンドも何もついてゐない古い学生帽を両耳をかくす位に深くかむつて(火の粉が飛ぶからである、)父親に代つて鞴の前に安坐あぐらをした。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
父は大きな安坐あぐらをかいたまま煙草をのんで、別な方を見ていた。——母は健を見ると、いつになくけわしい顔をした。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
広い室内のすみの方へ、背後うしろに三角のくうを残して、ドカリと、傍床わきどこの前に安坐あんざを組んだのは、ことの、京極きょうごく流を創造した鈴木鼓村こそんだった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
絶えて久しきわが家の風呂ふろに入りて、うずたかき蒲団ふとん安坐あんざして、好めるぜんに向かいて、さて釣り床ならぬ黒ビロードのくくまくらに疲れしかしらを横たえて、しかも夢は結ばれず
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)