“滿”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
55.3%
みた15.8%
みち7.9%
まん7.9%
つま5.3%
2.6%
まる2.6%
みつる2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
莊重さうちような修道院の建物と、またそこにみなぎる美しくも清らかな空氣とをいろいろに空想し思ひ描く一種の敬虔けいけんな氣持が滿ちてゐた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
もしそれ正しき刑罰を不義の快樂けらくむかはしめつゝ、罪のつくれる空處を滿みたすにあらざれば、人その尊さに歸ることなし 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それよ今宵こよひよりは一時いちじづゝの仕事しごとばして此子このこため收入しうにふおほくせんとおほせられしなりき、火氣くわき滿みちたるしつにてくびやいたからん、ふりあぐるつち手首てくびいたからん。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だん伸の三きやくの上にてゝ黒布くろぬのをかぶりながら焦點せうてんあはせる時のわたし滿まん足とうれしさ、とまたほこらしさとはいひやうもなかつた。
二人ふたりだとおもつても駄目だめよ!とつて、一人ひとりだけ立派りつぱひとにするんでは滿つまらないわ!』とあいちやんは可哀相かあいさうにもさうおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
マーキュ はて、うさぎではない、うさぎにしても脂肪あぶら滿ったやつではなうて、節肉祭式レントしき肉饅頭にくまんぢうはぬうちから、ふるびて、しなびて……
「東京に二年、伊豆の方にも行つてゐたし、靜岡にもゐたし、大阪にもこれで滿まる一年半になるんですよ。女中奉公はしてゐるけれど、それでも國になんか歸り度いとも思ひませんねえ。田舍はふんとにやだやだ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
二人の立つた傍を一廻りして、それから畑尾は滿みつるに話しかけた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)