“溝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みぞ49.7%
どぶ48.6%
こう0.5%
とぶ0.5%
かあら0.3%
ギヤツプ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
叔父の家は広い植木屋の地内で、金目垣かなめがき一つ隔てて、じかにその道路へ接したような位置にある。垣根のわきには、細い乾いたみぞがある。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
猫は頻りにないて、道と田との間のどぶに後足を踏み込みそうになった。溝の水は澱んで腐り、泥の中からは棒振りが尾を出していた。
「紋」 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
付紐つけひもで腹をくくりつけるから日本人の男女は大きくなってもいわゆるベルツ氏こうという溝が腹の真中に出来ているそうだ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
千束町せんぞくまちとぶの前から自転車に乗って、紺碧こんぺきの空の下にかすんでいる上野の森を目標に、坦々たん/\たる一本路を一直線に走って行く己は、なんだか体に羽根が生えて
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「きょと作じゃない子がかあらい落ちるかい、きょときょとしよるさかい」
赤いステッキ (新字新仮名) / 壺井栄(著)
その間に大きなギヤツプがあるのではないか。若し憚りなく僕の要求を云はして貰へば、氏は寧ろ神経質な暗示を捨てゝ、散文詩風に、自由に情意の声を表はされた方が勝ぐれた作品が出来るだらうと思ふ。
明治詩壇の回顧 (新字旧仮名) / 三木露風(著)