“重々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じゅうじゅう37.1%
おもおも25.8%
おも/\11.3%
じゅう/\6.5%
ぢゆう/\4.8%
ぢう/\3.2%
じゅう/″\3.2%
ちょうちょう3.2%
あつあつ1.6%
かさねがさね1.6%
かさね/″\1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泣き声も次第に細るばかり、その夜の十一時五分ほど前には、ついに息を引き取り候。その時の私の悲しさ、重々じゅうじゅう御察し下されたく、……
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
産という肉体の苦痛を眼前に控えている細君の気息遣いきづかいはただでさえ重々おもおもしかった。健三は黙って気の毒そうなその腹と光沢つやの悪いそのほおとを眺めた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かしましき田畑たはた人聲ひとごゑと(あいちやんのつてる)へんじました、——遠方ゑんぱうきこゆる家畜かちくうなごゑは、海龜うみがめ重々おも/\しき歔欷すゝりなきであつたのです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
眞「それは重々じゅう/\悪いがな、あれから帰って庄吉の部屋で賭博して居りますと、其処そこへ二番町の町会所から手が這入ったので」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
べしは重々ぢゆう/\此方こなたわるけれど母上はゝうへとらへてなにいひつたかおみゝれまいとおもへばこそ樣々さま/″\苦勞くらうもするなれさらでもの御病氣ごびやうきにいとゞおもさを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
したる段重々ぢう/\不屆ふとゞき至極のやつなり入牢申付るしばれと有ければ同心共立懸たちかゝり高手小手にいましめたりける夫より憑司が村長を退きしことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しばらくお待ち下さい、其のお腹立はらだち重々じゅう/″\御尤ごもっともでございますが、お嬢様がわたくしを引きずり込み不義を遊ばしたのではなく、手前が此の二月始めて罷出まかりいでまして、お嬢様をそゝのかしたので
十一月二十七日は、朝からむしむしと暑苦あつくるしい日であった。空は重々ちょうちょうたる密雲におおわれて、遠くで雷鳴らいめいがいんいんとひびき、なんとなく大あらしの前兆ぜんちょうをつげる空もようである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
食机おしきの上に盆鉢わんばちが並び、そこに馳走の数々が盛られ、首長の瓶子へいしには酒が充たされ、大さかづきが添えられてあり、それらの前に刺繍を施したしとねが、重々あつあつと敷かれてあったからである。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
神戸家へ重々かさねがさね世話になるのは気の毒だと云うので、宇平一家はやはり遠い親戚に当る、添邸の山本平作方へ、八日のたつの刻過に避難した。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わしの宮にて殺害に及び金子五百兩をうばひ取しおもむきなり尋常じんじやうに白状致すべしと有ければ段右衞門は少しも恐るゝ景色けしきなく是は重々かさね/″\思ひもよらぬことを御糺問たづねに成るものかな私し儀穀屋平兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)