重々おも/\)” の例文
かしましき田畑たはた人聲ひとごゑと(あいちやんのつてる)へんじました、——遠方ゑんぱうきこゆる家畜かちくうなごゑは、海龜うみがめ重々おも/\しき歔欷すゝりなきであつたのです。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それをどもがひろつておもちゃにしてあそんでゐるのをつくつたので、さういふ材料ざいりようをごく重々おも/\しく爲上しあげてゐるのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
浪打際なみうちぎは綿わたをばつかねたやうなしろなみ波頭なみがしらあわてて、どうとせては、ざつと、おうやうに、重々おも/\しう、ひるがへると、ひた/\と押寄おしよせるがごとくにる。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして私たちはだまつて身動みうごきせずにゐた。かうして坐つてゐると、間もなく、また別の人がはひつて來た。重々おも/\しい雲が、一陣の風に吹き拂はれて、月をあらはした。
やがて老師らうしあらはれた。たゝみ見詰みつめてゐた宗助そうすけには、かれ何處どことほつて、何處どこから此所こゝたか薩張さつぱりわからなかつた。たゞかれはらつて曲彔きよくろく重々おも/\しい姿すがたた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こと今宵こよひ密雲みつうんあつてんおほひ、四へん空氣くうきへん重々おも/\しく、丁度ちやうど釜中ふちうにあつてされるやうにかんじたので、此儘このまゝ船室ケビンかへつたとて、とて安眠あんみん出來できまいとかんがへたので、喫煙室スモーキングルームかんか、其處そこあつ
海底かいてい長靴ながぐつ半靴はんぐつは』とグリフォンが重々おも/\しいこゑつゞけて、『胡粉ごふんけてる。うだ、わかつたらう』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
其晩そのばんかれ宗助そうすけと一時間じかんあまりも雜談ざつだんふけつた。かれ重々おも/\しいくちかた自分じぶんはゞかつて、おもれないやうはなし調子てうし、「しかるに」と口癖くちくせすべ平生へいぜいかれことなるてんはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
イングラム孃は重々おも/\しく立上つた。「私が一番に參ります。」と彼女は、仲間の先鋒せんぽうとなつて、城の崩壞口をのぼつて行く決死隊の先導者に相應ふさはしいだらうと思はれるやうな調子で云つた。
だからこのうたは、はるかに後世こうせい短歌たんかさかんになつてのちおこなはれして、そのつくつたひともわからなくなり、また、非常ひじよう重々おも/\しいちからのあるものとしんじられた時代じだいに、こんなうただから神代かみよ神樣かみさま
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
重々おも/\しくしづんだ調子てうしで、をとこ肅然しゆくぜんとしていつた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)