“其晩”の読み方と例文
読み方割合
そのばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其晩そのばん宗助そうすけうらからおほきな芭蕉ばせうを二まいつてて、それを座敷ざしきえんいて、其上そのうえ御米およねならんですゞみながら、小六ころくことはなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其晩そのばん郵便局長いうびんきよくちやうのミハイル、アウエリヤヌヰチはかれところたが、挨拶あいさつもせずに匆卒いきなりかれ兩手りやうてにぎつて、こゑふるはしてふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其晩そのばん湿しめやかな春雨はるさめつてゐた。近所隣きんじよとなりひつそとして、れるほそ雨滴あまだれおとばかりがメロヂカルにきこえる。が、部屋へやには可恐おそろしいかげひそんでゐた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)