“髑髏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どくろ64.6%
しゃれこうべ10.0%
されこうべ9.2%
されかうべ6.9%
しゃりこうべ3.1%
しやれかうべ2.3%
あたま0.8%
しゃれかうべ0.8%
しやれこうべ0.8%
ゴルゴタ0.8%
サレコウベ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
またある朝、清盛が寝床から起きぬけて妻戸を押し開いて小庭の内を眺めると、こはいかに、死人の髑髏どくろが小庭を埋めつくしている。
「なあに、髑髏しゃれこうべでごぜえますよ。——誰か木の上に自分の頭を置いて行ったんで、からすがその肉をみんなくらってしまったんでがす」
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
ただし虎の髑髏されこうべを獅のと較べると獅の鼻梁はなばしらと上顎骨が一線を成して額骨とわかれ居るに虎の鼻梁は上顎骨よりも高く額骨に突き上り居る
髑髏されかうべといふものは恁麽こんなぢやなからうかと思つたり、紅い口が今にも耳の根まで裂けて行きさうに見えたりして、ひ知れぬ悪寒さむさに捉はれる事が間々あつた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
もとは、佐倉の佐藤塾で洋方医の病理解剖を勉強していたが、墓から持って来たたったひとつの髑髏しゃりこうべ唯一ゆいつの標本。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
大森氏はためつすがめつ髑髏しやれかうべを見てゐた。ちやう梅雨つゆ時分の事で、髑髏しやれかうべからは官吏や会社の重役の古手ふるてから出るやうな黴臭かびくさ香気にほひがぷんとした。
一坪程の小さな草舎くさやがある。屋後うしろには熊の髑髏あたまの白くなったのや、まだ比較的なましいのを突きしたさお、熊送りに用うるアイヌの幣束イナホなどが十数本、立ったり倒れたりして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ゆる荒熊あらくまと一しょにもつながれう、はかなかにも幽閉おしこめられう、から/\と骸骨がいこつむさくさ向脛むかはぎばんだあごのない髑髏しゃれかうべ夜々よる/\おほかぶさらうと。
店一杯に雛壇ひなだんのような台を置いて、いとど薄暗いのに、三方を黒布で張廻した、壇の附元つけもとに、流星ながれぼし髑髏しやれこうべひからびたひとりむしに似たものを、点々並べたのはまとである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青草の丘の上のいのりの後、彼の目はパリサイ人の反対を越え、ヘロデ王の悪意を越えて、すでに髑髏ゴルゴタの丘を予感したでしょう。勝利はいのりの中に得られました。彼の足は小鹿のように速い。
ややともすれば俺は木枯に吹き倒されて、その場でそのまま髑髏サレコウベにもなりそうに思いながら、ようやく酒倉へ辿りついてその白壁をポクポクと叩いたんだ。