“誦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
28.2%
18.9%
しょう13.6%
じゅ12.6%
とな4.4%
じゆ4.4%
そら3.9%
くちずさ1.9%
しよう1.9%
1.5%
そらん1.5%
カタ1.5%
クチズサ1.5%
ジユ1.5%
うた1.0%
ずん1.0%
かた0.5%
すさ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿闍梨あざりは、白地の錦のふちをとった円座わらふだの上に座をしめながら、式部の眼のさめるのをはばかるように、中音ちゅうおんで静かに法華経をしはじめた。
道祖問答 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
張松は、胸を正し、膝へ手をおくと、童子が書物を声読するように、孟徳新書の初めから終りまで、一行一字もまちがいなくんだ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寺の僧侶が毎朝まいちょう早起そうききょうしょうし粗衣粗食して寒暑の苦しみをもはばからざれば、その事は直ちに世の利害に関係せざるも、本人の精神は
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
繰拡くりひろげたペイジをじっ読入よみいつたのが、態度ようす経文きょうもんじゅするとは思へぬけれども、神々こうごうしく、なまめかしく、しか婀娜あだめいて見えたのである。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
となえたから虎う森の樹株に固着ひっついて人の頭を嫌いになれ、後脚に土重く附き前足に石重く附いて歩けぬようになれ、かく身を重くする呪を
さうして、時々声に出してじゆする経文が、物のに譬へやうもなく、さやかに人の耳に響いた。聞く人自身の耳を疑ふばかりだつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そういう時には、曾ての日と同じく、人語もあやつれれば、複雑な思考にも堪え得るし、経書けいしょの章句をそらんずることも出来る。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
だが彼の心は、瞬間明るくなって、先年三形王みかたのおおきみの御殿でのうたげくちずさんだ即興が、その時よりも、今はっきりと内容を持って、心に浮んで来た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
と云へる有様の歴々あり/\と目前に現はれ、しかもせふの位置に立ちて、の言葉を口にしようし、りようをしてつひ辟易へきえきせしめぬ。
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
おまけに名高い吝嗇家しみつたれだつた作松は、仲々それに應じなかつたが、一月許り經つと、打つて變つた熱心な信者になつて、朝夕佛壇の前でげた修證義が
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
時々美奈子は顔をあげて、頭の中で楽譜をそらんじてゐるらしく、正面を向く時、久保は、はつきりとその容貌を見ながら、沁々と呟いだ。
階段 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
姥は居ずまひを直して、嚴かな聲音コワネで、カタり出した。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
だが彼の心は、瞬間明るくなつて、先年三形王の御殿でのウタゲクチズサんだ即興が、その時よりも、今はつきりと内容を持つて、心に浮んで來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
さうして、時々聲に出してジユする經のモンが、物のに譬へやうもなく、さやかに人の耳に響く。聞く人は皆、自身の耳を疑うた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
が、老人はうたいながら、わしももう、これをうたった詩人と同じように古くなったと思った。中国にも、もうこういう心境で生きて居られる時代はとっくに過ぎたのだ。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
まことに八才の龍女がその功力を以て成仏せしというなる、法華経の何の巻かを、ずんじては抜き、誦じては抜くにあらざれば、得て抜くべからざるものをや。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姥は居ずまいを直して、厳かな声音こわねで、かたり出した。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
「昔……昔、浦島は、小児こどもとらえし亀を見て、あわれと思い買い取りて、……」と、すさむともなく口にしたのは、別荘のあたりの夕間暮れに、村の小児等こどもらの唱うのを聞き覚えが
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)