“捉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とら47.1%
つか30.6%
つかま10.0%
と7.4%
つら1.1%
つらま0.5%
づか0.5%
づかま0.5%
ツカマ0.5%
ト0.5%
とっ0.3%
トラ0.2%
おきて0.2%
そく0.2%
つ0.2%
つかめ0.2%
とらえ0.2%
トナ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、お待ちください。いま騒ぎ立てたところで、賊を捉(とら)えることはできません。誘拐は少なくとも二時間以前に行われたのです」
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
風が襲いかかり、三之助の捉(つか)まっている雨戸が、危なく吹き飛ばされそうになった。三之助は部屋へ戻りながら、もういちど云った。
暴風雨の中 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
町に別嬪(べっぴん)が多くて、山遊びが好(すき)な土地柄だろう。果して寝転んでいて、振袖を生捉(いけど)った。……場所をかえて、もう二三人捉(つかま)えよう。
とさすがに手を控えて、例の衣兜へ突込んだが、お蔦の目前(めさき)を、(子を捉(と)ろ、子捉ろ。)の体で、靴足袋で、どたばた、どたばた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女は自分の娘婿を捉(つら)まえて愚図だとも無能(やくざ)だともいわない代りに、毎月彼の労力が産み出す収入の高を健三の前に並べて見せた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
身分の好い人だと、成丈外聞のない樣にしますからな。何時ぞやも、農家の娘でね、十五六のが草苅りに往つてたのを、奴が捉(つらま)へましてな。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
「いよいよ面白いな、泥棒が狸だとすると、フン捉(づか)まえると狸汁が出来るだろう。ガラッ八、一杯飲めそうだぜ」
東屋氏は上機嫌で船縁に屈み込むと、子供のように水と舷側の接触線を覗き込んでいたが、不意に立上って私をふん捉(づかま)えた。
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
さうして年々(トシヾヽ)頻繁に、氏神其外の神々を祭つてゐる。其度毎に、家の語部(カタリベ)大伴ノ語造(カタリヤツコ)の嫗(オムナ)たちを呼んで、之に捉(ツカマ)へ處(ドコロ)もない昔代(ムカシヨ)の物語りをさせて、氏人(ウヂビト)に傾聽を強ひて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
我(ア)が 捉(ト)り兼ねて
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
珠運様も珠運様、余りにすげなき御言葉、小児(こども)の捉(とっ)た小雀(こすずめ)を放して遣(や)った位に辰を思わるゝか知らねどと泣きしが、貴下(あなた)はそれより黙言(だんまり)で亀屋を御立(おたち)なされしに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
“梁山(リョウザン)ヲ踏破(トウハ)シテ宋江ヲ捉(トラ)エン”
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一体操を守れだの、良人に従えだのという、捉(おきて)かなんか知らないが、そういったようなことを極(き)めたのは、誰だと、まあ、お思いだえ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人間は生きてゐる間は、この幻影に対する捉(そく)不捉(ふそく)又生滅の無限のつゞきを建てたり壊したりしてゐるのである。捨てたり拾つたりして行くものである。
雨の日に (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
捉(つ)らまえて「はいはい御寒う。あなた方は、御若いから、あまりお感じにならんかの」と老人だけにただ一人寒がっている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
捉(つかめ)えて、色気で、どうこうというわけじゃなかったんで。へい、実は、少々御法度の、へい、手慰みを遣らかしておりましたんで。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
扨(さて)は迷惑、一生可愛(かわゆ)がって居様(いよう)と思う男に。アレ嘘(うそ)、後先揃(そろ)わぬ御言葉、どうでも殿御は口上手と、締りなく睨(にら)んで打(ぶ)つ真似にちょいとあぐる、繊麗(きゃしゃ)な手首緊(しっか)りと捉(とらえ)て柔(やわらか)に握りながら。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
山鳥の尾ろの秀尾(ハツヲ)に 羅摩(カヾミ)かけ、捉(トナ)ふべみこそ、汝によそりけめ(万葉巻十四)
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)