“上靴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわぐつ37.0%
スリッパー14.8%
ガローシ14.8%
うはぐつ7.4%
スリッパ7.4%
じょうか3.7%
すりっぱ3.7%
ガローシュ3.7%
スリッパア3.7%
パントウフル3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度ちょうどそのときにわはいってたのは、いましもまちあさって猶太人ジウのモイセイカ、ぼうかぶらず、跣足はだしあさ上靴うわぐつ突掛つッかけたまま、にはほどこしちいさいふくろげて。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
二人はそのままいっしょに下宿へ帰った。上靴スリッパーかかとを鳴らして階段はしごだんを二つのぼり切った時、敬太郎は自分の部屋の障子を手早く開けて
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
外套の下に上靴ガローシ防寒靴ワーレンキが三足かためてあった。窓から二米はなれて湯槽があった。黒い髪だけが湯槽の外へ見えた
無題(七) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
フト夫人ふじん椅子いすつたが、まへはさんだ伊達卷だてまきはしをキウとめた。絨氈じうたんはこ上靴うはぐつは、ゆき南天なんてんあかきをく……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
兄が席を立って書斎にったのはそれからしてしばらくのちの事であった。自分は耳をそばだてて彼の上靴スリッパしずかに階段をのぼって行く音を聞いた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上靴じょうかをつっかけて、彼は、とことこと歩きだしたが、五六歩あるいて、急にはっとした思いいれで、その場に立ちどまり
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この考えがすっかり頭の中を占領すると、彼はそっと起き上がって、上靴すりっぱを穿いたまま戸口の方へ足を引き摺りながら歩み寄った。
落ちていた上靴ガローシュが手がかりになって死体があがり、査問の結果、プリシュケウィッチが主犯ということになって、勅命によってペルシャへ流刑された。
淪落の皇女の覚書 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
Kさんは安楽椅子にずっと反身そりみになって、上靴スリッパアをつけた片足を膝の上に載せて、肱をもたげて半ば灰になった葉巻を支えながら、壁に掲げたロセッティの受胎告知の絵の方をじっと見ていると
聖書 (新字新仮名) / 生田春月(著)
満洲朝の官服に似せた刺繍ししゅうのあるパジャマの上衣うわぎだけを、ようようしりと擦れ擦れに着ている下はパンツの代りにすね一面のお白粉しろい穿いた脚の先へ、仏蘭西型のかかとの附いた浅黄色の絹の上靴パントウフル
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)