“吸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
81.9%
すい4.5%
すひ4.5%
1.3%
1.3%
1.3%
きゅう0.6%
0.6%
すつ0.6%
すへ0.6%
0.6%
0.6%
ひくいき0.6%
ふか0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『見ろ、何が食へる。薄ら寒い秋のすゑに熱い汁が一杯へないなんてなさけないことがあるものか。下宿屋だつて汁ぐらゐ吸はせる。』
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そうすると晋齋はじろりとお若の様子を見てすいかけた煙草もすいません。お若だってそう何時いつまでも黙っては居られないから
三四郎が不図其横顔を見ると、どうも上京の節汽車のなかで水蜜桃を沢山食つた人の様である。向ふは気がつかない。茶を一口ひとくちんでは烟草を一すひすつて、大変悠然ゆつくり構へてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「おひとり様だけ、お待ちねがいます。ま、いっぷく、おけなすって」
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寐慣ねつけない所に寐たとこのあとをながめて、烟草たばこを一本んだが、昨夜ゆふべの事は、凡て夢の様である。縁側へて、低いひさしそとにあるそらを仰ぐと、今日けふい天気だ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『一ぷくろうってんだ、煙草休たばこやすみよ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こころ平らに、気順なるときは、一きゅうのうちに、病雲は貴体を去ってゆきましょう。それ、さらに病の根を抜こうとするには、やや涼剤りょうざいを用いる必要もありますが」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みてはしりがきうるはしく四書五經ししよごけい角々かど/″\しきはわざとさけて伊勢源氏いせげんじのなつかしきやまとぶみ明暮あけくれ文机ふづくゑのほとりをはなさず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
少しもひどい言ひ分ぢやありません、正直ほんたうのことです、——実直に働いてるものは家もなく食物もなく、監獄へ往つたり、餓死したり、鉄道往生したりして、利己主義の悪人が其の血をすつ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
なにかしらかなしきもののをどみゐる場末の空気すへばさびしも
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
私は初めて人間の生血をる、恐ろしい野獣けものの所為をまのあたり見た。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
多少人間らしい了簡りょうけんになって、宿の中へ顔を出したばかりであるから、魂がく息につれて、やっと胎内に舞い戻っただけで、まだふわふわしている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
地中ちちゆうふかければかならず温気あたゝかなるきあり、あたゝかなるをはき、天にむかひ上騰のぼる事人の気息いきのごとく、昼夜ちうや片時かたときたゆる事なし。天も又気をはきて地にくだす、これ天地の呼吸こきふなり。人のでるいきひくいきとのごとし。
この時安さんは、煙草を二三ぶくふかして、煙管きせるつつへ入れかけていたが、自分の顔をひょいと見て
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)