雨具あまぐ)” の例文
のべ用意ようい雨具あまぐ甲掛かふかけ脚絆きやはん旅拵たびごしらへもそこ/\に暇乞いとまごひしてかどへ立出菅笠すげがささへも阿彌陀あみだかぶるはあとよりおはるゝ無常むじやう吹降ふきぶり桐油とうゆすそへ提灯の
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
霊廟みたまやの前なる三二灯籠堂とうろうだう簀子すのこのぼりて、雨具あまぐうち敷き座をまうけて、しづか念仏ねぶつしつつも、夜のけゆくをわびてぞある。
雨が降れば、人間は傘をさして、濡れるのを防ぐ。が、帝都には、爆弾の雨が降ってこようというのに、これをさえぎ雨具あまぐ一つ、備わっていないのだ……
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
われ江戸に逗留とうりうせしころ、旅宿りよしゆくのちかきあたりに死亡ありて葬式さうしきの日大あらしなるに、宿やどあるじもこれにゆくとて雨具あまぐきびしくなしながら、今日けふほとけはいかなる因果いんくわものぞや
あきすえながら、お天気てんきは、黄色きいろくなったや、おかに、たって、なんとなくのどかなかんじがしたが、みぞれがすと、少年しょうねん配達夫はいたつふあたまがら雨具あまぐをぬらしてはいってきました。
母の心 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此はしからず、天津乙女あまつおとめの威厳と、場面の神聖をそこなつて、うやら華魁おいらんの道中じみたし、雨乞あまごいには行過ゆきすぎたもののやうだつた。が、何、降るものときまれば、雨具あまぐの用意をするのは賢い。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
われ江戸に逗留とうりうせしころ、旅宿りよしゆくのちかきあたりに死亡ありて葬式さうしきの日大あらしなるに、宿やどあるじもこれにゆくとて雨具あまぐきびしくなしながら、今日けふほとけはいかなる因果いんくわものぞや
おくりける或日兩國邊よりかへ途中とちうにはか夕立ゆふだち降來ふりきたはたゝがみ夥多敷おびたゞしく鳴渡なりわたれども雨具あまぐなければ馬喰町の馬場のわき出格子でがうしの有る家を幸ひに軒下のきした立停たちどまり我がたくも早二三町なれども歸ることかなはあめぬれて居るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)