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金無垢
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きんむく
ふりがな文庫
“
金無垢
(
きんむく
)” の例文
斉広
(
なりひろ
)
の持っている、
金無垢
(
きんむく
)
の
煙管
(
きせる
)
に、眼を
駭
(
おどろ
)
かした連中の中で、最もそれを話題にする事を好んだのは
所謂
(
いわゆる
)
、お
坊主
(
ぼうず
)
の階級である。
煙管
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
果して、木像の中から
金無垢
(
きんむく
)
の大変な仏像が現われました。大師
入唐
(
にっとう
)
のとき、
請来
(
しょうらい
)
したのではあるまいかという——これは後の話——。
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
角
(
かど
)
のパレエの
大時鐘
(
おほどけい
)
、七時を打つた——
都
(
みやこ
)
の上に、
金無垢
(
きんむく
)
の
湖水
(
こすゐ
)
と見える西の
空
(
そら
)
、雲
重
(
かさな
)
つてどことなく、
雷
(
らい
)
のけしきの東の空。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
伴「実は江戸へ
仕入
(
しいれ
)
に行った時に、あの海音如来の
金無垢
(
きんむく
)
のお守を持って来て、
此処
(
こゝ
)
へ埋めて置いたのだから、
掘出
(
ほりだ
)
そうと思って来たんだ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
金無垢
(
きんむく
)
の伸べ棒を芯にした蝋燭……不思議な物もあるものだと思うに付けて、わたくしは又急に気味が悪くなりました。
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
大きな頬の
黒子
(
ほくろ
)
一ツ残してそのほかは真ッ白けに塗りたくり、半裸同様なあらわな腕には
金無垢
(
きんむく
)
の
腕環
(
うでわ
)
デカデカ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それだからつい見かけないと言ったのさ。
金無垢
(
きんむく
)
で目と歯が銀の、
斑
(
ぶち
)
は
赤銅
(
しゃくどう
)
か。出来合にはこんな精巧なものはない。この歯は一本々々後から植えたもんだぜ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この刀なんぞもその一つじゃ、よく見て置かっしゃれ、鞘はこの通り梨子地……
鍔
(
つば
)
の
象眼
(
ぞうがん
)
は
扇面散
(
せんめんち
)
らし、
縁頭
(
ふちがしら
)
はこれ
朧銀
(
ろうぎん
)
で松に鷹の
高彫
(
たかぼり
)
、
目貫
(
めぬき
)
は浪に鯉で
金無垢
(
きんむく
)
じゃ
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
作りは父の好みで、彼女の爲めに
酉
(
とり
)
の歳に
因
(
ちな
)
んで
金無垢
(
きんむく
)
の雞の
高彫
(
たかぼ
)
りを
目貫
(
めぬき
)
に浮き出させ、鞘は
梨子地
(
なしぢ
)
で、黒に金絲を混ぜた
總
(
ふさ
)
付きの下げ緒が長く垂れ、赤地金襴の袋に入つてゐる。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
笠鉾の上には
金無垢
(
きんむく
)
の
烏帽子
(
えぼし
)
を着用いたしました
女夫猿
(
めおとざる
)
をあしらい、赤坂今井町は
山姥
(
やまうば
)
に
坂田金時
(
さかたのきんとき
)
、芝
愛宕
(
あたご
)
下町は千羽
鶴
(
づる
)
に塩
汲
(
く
)
みの引き物、四谷大木戸は
鹿島
(
かしま
)
明神の
大鯰
(
おおなまず
)
で、弓町は大弓
右門捕物帖:05 笛の秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
と云って、
死霊除
(
しりょうよけ
)
のお
守
(
まもり
)
をかしてくれた。それは
金無垢
(
きんむく
)
で四寸二分ある
海音如来
(
かいおんにょらい
)
のお守であった。そしてそれとともに一心になって
読経
(
どきょう
)
せよと云って、
雨宝陀羅尼経
(
うほうだらにきょう
)
という
経文
(
きょうもん
)
とお
札
(
ふだ
)
をくれた。
円朝の牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
大将「うん。
金無垢
(
きんむく
)
だからな。
溶
(
と
)
かしちゃいかんぞ。」
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
金無垢
(
きんむく
)
のするどさよ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
だから、その当主たる斉広が、
金無垢
(
きんむく
)
の煙管を持つと云う事は、
寧
(
むし
)
ろ身分相当の装飾品を持つのに過ぎないのである。
煙管
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
純子
(
どんす
)
の
座蒲団
(
ざぶとん
)
の上に坐って、
金無垢
(
きんむく
)
の
煙管
(
きせる
)
で煙草を吸っている春見は今年四十五歳で、
人品
(
じんぴん
)
の
好
(
い
)
い男でございます。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「でも、茶釜は
金無垢
(
きんむく
)
で、千両箱でも出さなきゃア買えないほどの
代物
(
しろもの
)
ですぜ。江戸中の道具屋がわざわざ見に行って
胆
(
きも
)
をつぶしたんだから嘘じゃねえ」
銭形平次捕物控:092 金の茶釜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
まずこの
目貫
(
めぬき
)
でございますな、これが金獅子ぼたんでございますよ、もとより
金無垢
(
きんむく
)
——しかも
宗珉
(
そうみん
)
というところは動かないところでげして、それからはばきが金、
切羽
(
せっぱ
)
が金
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金無垢
(
きんむく
)
の福々しいそのお姿をばどこにも見せていないのです。
右門捕物帖:04 青眉の女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
金無垢
(
きんむく
)
のほそき月。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あの金の環を受取った時、すぐ寸法を取って、町内の
錺
(
かざり
)
屋に頼んで手に入れたんだ。とんだ役に立ったよ。もっともあれは
金無垢
(
きんむく
)
だったが、おれは貧乏だから鉄で間に合せたよ。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
開
(
ひら
)
いて見れば、
金無垢
(
きんむく
)
の観音の
立像
(
りつぞう
)
でございます。裏を返して見れば、
天民
(
てんみん
)
謹
(
つゝし
)
んで
刻
(
こく
)
すとあり、厨子の裏に
朱漆
(
しゅうるし
)
にて清水助右衞門と
記
(
しる
)
して有りますを見て、清次は小首を傾け。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それに、なんでございますな、さいぜんから申し上げる通り、こしらえが大したもんでござんしてな、要所要所とこの定紋は
金無垢
(
きんむく
)
でございますぜ、つぶしに致しましても……」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「なに、
金無垢
(
きんむく
)
の煙管なら、それでも、ちょいとのめようと云うものさ。」
煙管
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「正真正銘
金無垢
(
きんむく
)
のお大黒さまでござります」
右門捕物帖:04 青眉の女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
金無垢
(
きんむく
)
の月。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
金無垢
(
きんむく
)
の大日如來といふのは、本堂の奧に安置した教祖の木像の
胎内佛
(
たいないぼとけ
)
で、別にお厨子を作つて見えるところに安置したのは、少しでも寺内を賑やかにしようと言ふ住職の商賣氣
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どうしても遁れられないが、死霊
除
(
よけ
)
のために
海音如来
(
かいおんにょらい
)
という大切の守りを貸してやる、其の内に折角
施餓鬼
(
せがき
)
をしてやろうが、其のお
守
(
まもり
)
は
金無垢
(
きんむく
)
じゃに
依
(
よ
)
って人に見せると盗まれるよ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
金無垢
(
きんむく
)
の大日如来というのは、本堂の奥に安置した教祖の木像の胎内仏で、別にお厨子を作って見えるところに安置したのは、少しでも寺内を賑やかにしようという住職の商売気
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
金無垢
(
きんむく
)
で
丈
(
たけ
)
は四寸二分の如来様だそうだ、己も此の間お開帳の時ちょっと見たが、あの時坊さんが何か云ってたよ、
抑
(
そ
)
も
何
(
なん
)
とかいったっけ、あれに
違
(
ちげ
)
えねえ、
何
(
なん
)
でも大変な
作物
(
さくもの
)
だそうだ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「悪性男は、——江戸一番の
分限
(
ぶげん
)
と言いふらして、
金無垢
(
きんむく
)
の鯉で私の父親をたぶらかしました。あれがその時の金無垢の鯉ですよ、——銅に薄く金を着せたとは田舎者の眼が届きません」
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
良人が注文して彫らせた観音さまで
金無垢
(
きんむく
)
でがんすから、
潰
(
つぶ
)
しにしても
大
(
えら
)
く金になると、良人も云えば人さまも云いやすが、
金才覚
(
かねさいかく
)
の出来るまで三円の
抵当
(
かた
)
に此の観音さまをお
厨子
(
ずし
)
ぐるみ預かって
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“金無垢”の意味
《名詞》
金 無 垢 (きんむく)
純金。
(出典:Wiktionary)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
垢
漢検準1級
部首:⼟
9画
“金無垢”で始まる語句
金無垢地
金無垢肉彫