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賜
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た
ふりがな文庫
“
賜
(
た
)” の例文
常陸介の
綽号
(
あだな
)
を得たとあるが、この歌舞の乞食たる常陸介でも、やはり女法師とあって、自ら「仏の御弟子に侍れば、仏の撤下
賜
(
た
)
べ」
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「おうっ、おうっ。誰ぞそこらにお
出
(
い
)
でたお人やある。助けてくだされよの。ここじゃあ、ここじゃがのう。——助けて
賜
(
た
)
もようっ」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仮令
(
たとひ
)
此状に不審ありとも一向宗の輩は和泉守に力を合せ兄淡路守を
逐
(
お
)
ひ侍りしこと隠れもなし、されば檜垣の衆とても
必定
(
ひつぢやう
)
敵
(
かたき
)
にて侍るものを早や/\
誅戮
(
ちうりく
)
を加へて
賜
(
た
)
べとて
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
はづかなるあるかなきかの金を得て、かきよせて、市のちまたに米買ふと
破
(
や
)
れし嚢を手にさげて、これに米、すこし
賜
(
た
)
べよと乞ひのめば、入れて賜びけり、さらさらと入れて賜びけり。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
うやうやしき
礼
(
いや
)
の八千度さかしらのわがひと言はゆるし
賜
(
た
)
ぶべし。
家庭愛増進術:――型でなしに
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
速
(
はや
)
う
來
(
こ
)
い、やさしい、
懷
(
なつか
)
しい
夜
(
よる
)
の
闇
(
やみ
)
、さ、
予
(
わし
)
のロミオを
賜
(
た
)
もれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
わが身のつねに憧れしパーシテエーを
賜
(
た
)
ぶべしと。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「
怺
(
こら
)
えて
賜
(
た
)
も。相手になることはなりませぬぞ」頼むばかりにいうので、涙を溜めながら、つんぼのように
鳴
(
な
)
りをしずめていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曼陀羅
(
まんだら
)
の
爺
(
をぢ
)
が
賜
(
た
)
びたる蓮の実は
黄蕋
(
きしべ
)
さがりてよき
纏
(
まとひ
)
如
(
な
)
す
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
脚部を守る武具附せる脛甲、汝
賜
(
た
)
ぶべきや?
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「おまえは、孫策と同年で、一月おそく生れたばかりだから、わが子のように思われる。これからも、よく孫権を扶けて
賜
(
た
)
も」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時により教へ
賜
(
た
)
ぶなり世に憎み荒ぶる
言
(
こと
)
も聴きて畏こさ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
光榮われに
賜
(
た
)
ぶべくば、其時汝わが馬を
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「脚はさほどでもないが、陽気のせいか、この四、五日は肩が
凝
(
こ
)
る。——揉んでやろうという気があるなら揉んで
賜
(
た
)
もい」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
賜
(
た
)
ぶは陣太刀づくり
靖光
(
やすみつ
)
の鍛へに鍛へ魂こめし太刀
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
公沙汰
(
おもてざた
)
に致せば山手組を根こそぎから総崩れとなそうやも知れぬ。がそれまでに事好みな騒ぎをするのも妾の本意でない。素直にここでその者を返して
賜
(
た
)
も
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家の
苞
(
つと
)
卵ほどなる大きなる瑪瑙の玉は妻に
賜
(
た
)
ぶべし
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「さあ、くつろぎましょう。婿君よ、威儀いかめしいものの、内輪ばかりじゃ、心おきなく杯をあげられい。喬老、そなたも、佳賓におすすめ申しあげて
賜
(
た
)
も」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
母上に
賜
(
た
)
びし桃の實
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
わたくしが、
蛍
(
ほたる
)
をたくさんに
捕
(
と
)
ってこの庭へ放して
賜
(
た
)
もと、菊にいいつけたからでございますもの——
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……で、虫をころして、晦日の夜に来るように約束したから、そのときは、妾の声を合図に、躍りかかって、良人の仇を刺して
賜
(
た
)
も。どうかこの身に力をかして賜もれ
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いいえいの、まあ、聞いて
賜
(
た
)
も。そればかりではない。わしが
伜
(
せがれ
)
の
許嫁
(
いいなずけ
)
のお通、それをまあ手なずけたりしての、友だちの女房ともきまった
女子
(
おなご
)
をば
誘拐
(
かどわか
)
して……」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「とにかく、妾は今の体で妹に逢いとうない、ここにはいないと言ってよいようにして帰して
賜
(
た
)
も」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
張昭と周瑜のふたりは、どうか
師傅
(
しふ
)
の心をもって、孫権を教えてください。そのほかの諸臣も、心をあわせて、呉主を扶け、かならず国を失わぬように励まして
賜
(
た
)
もれ。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大儀であった。山手組の
無頼者
(
あぶれもの
)
達に召使の者がすんでのこと
攫
(
さら
)
い行かれるところであったが、もう散々に逃げ失せた様子ゆえ、どうぞ後にかまわず引き上げて
賜
(
た
)
もれ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『——遠路、事多い中を、よう訪ねて
賜
(
た
)
もった。これは、
徒然
(
つれづれ
)
にわが身が
縫
(
ぬ
)
うたもの、そなたは、いとど寒がり性であるそうな、
夜寒
(
よさむ
)
をふせぎ、よう身をいとうて下され』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そなたに、
環
(
たまき
)
の心が、解けぬ筈はないじゃろが、よう聞いて
賜
(
た
)
も、……環はな、もいちど、兄の片腕になって、
其方
(
そなた
)
を松代の直胤にも勝る刀工にしてみせると云うのじゃぞ。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
士
(
つわもの
)
たちの指揮、心がまえ、忠義一すじの鍛え、皆お
汝
(
こと
)
が軍配と徳にあること。きょうよりはなおなお、心して
賜
(
た
)
も。その身を、父君や兄達の亡き後の三世の忠義に備えておかれよ
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そこのところを、事をわけて、殿には、
篤
(
とく
)
と、伝右衛門どのに、
熟議
(
じゅくぎ
)
しておいで遊ばすのではないか。何せい、心もとないことじゃ。佐内、御様子をおうかがいして来て
賜
(
た
)
も」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれには、ようして
賜
(
た
)
もるに、なぜ
其方
(
そなた
)
は
賞
(
ほ
)
めておやりなさらぬ。よしないことを」
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
童女
(
わらべ
)
、童女、傘をさして
賜
(
た
)
も」風がすぎると、もうぱらぱらと雨がこぼれてきた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
、ようして
賜
(
た
)
もる志……何というてよいやら。これも観世音の
御庇護
(
ごひご
)
でがなあろう
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これ、朝麿に、持って行って
賜
(
た
)
も。——わしの
土産
(
みやげ
)
に」そういうと、性善坊が
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喰べたらその代りに、こんどは仲よう歩いて
賜
(
た
)
もよ。もう一、二里じゃ。墨染の伯母さまの家まで行けば、お
美味
(
いし
)
い物もたんと下さろ。夜の
具
(
もの
)
も暖かにして下さろ。もうすこしのご辛抱ぞや
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「飛んでも行きたい思いがする……。周善、よい智慧をかして
賜
(
た
)
も」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——茂助よ。おうけして、父上の
敢
(
あえ
)
ない汚名をそそいで
賜
(
た
)
も」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『この
雛
(
ひな
)
の
干菓子
(
ひがし
)
を、外の、船頭の子に
遣
(
と
)
らせて
賜
(
た
)
も』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さ、和子さまよ。起って
賜
(
た
)
も、お眼を醒まして賜も」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この無礼者を、追い出して
賜
(
た
)
も」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「小綱、
和子
(
わこ
)
を見ていて
賜
(
た
)
も」
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十二日 両使登城、御物を
賜
(
た
)
ぶ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ア。待って
賜
(
た
)
も」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
賜
常用漢字
中学
部首:⾙
15画
“賜”を含む語句
賜物
下賜
賞賜
賜緋魚袋
賜暇
賜酒
恩賜
賜餐
御下賜
賜謁
南置賜
頒賜
賜盃
賜宴
置賜
御賜
御賜鳩杖
周夷王所賜
天賜
寵賜
...