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賃錢
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ちんせん
それでも
其の
頃まではさういふ
仕事が
幾らも
無かつたので、
其の
賃錢は
仕事を
始める
時其の
研ぎ
減らした
唐鍬の
刄先を
打たせる
鍛冶の
手間と
こゝを
一應見物するだけでも
一日を
要しますが、
入場は
無料であり、
傘や
杖を
預つてくれても
賃錢を
取りません。
や
察しけん
孝心怠り
無夏秋は
枝豆を
賣歩行き或ひは母が
手業の
助けと成又は使ひに
雇はれて其
賃錢を
貰ひ
請朝な
夕なの
孝行は見る人聞人感じける然るに
有日道之助は
例日の通り
枝豆を
「それだけ
賃錢が
餘分に
成ります。」
其の
賃錢によつて
其の
土地を
深くも
淺くも
速くも
遲くも
仕上げることを
知つて
居た。
竹林を
開墾した
時彼は
根の
閉ぢた
儘一
坪の
大きさを
只四つの
塊に
掘り
起したことがある。
取出し
其尋ぬる人は此小袖の主にや此は
斯々にて
今朝迎ひに參りしが龜屋の亭主に
傳言して先刻お立なされしとの事なり
此小袖は昨日の
賃錢に私が預りたり私へ
沙汰なしに立れしは
合點行ずと今も
咄てを
其財布の
僅な
蓄へは
此數日間にどれ
程彼を
救つたか
知れなかつた。
彼はまだ
幾らかの
日用品を
求める
餘力を
有して
居た。
彼は
開墾の
賃錢を
手にすることが
出來ればといふ
望みが十
分にあつた。