賃錢ちんせん)” の例文
新字:賃銭
それでもころまではさういふ仕事しごといくらもかつたので、賃錢ちんせん仕事しごとはじめるときらした唐鍬たうぐは刄先はさきたせる鍛冶かぢ手間てま
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
こゝを一應いちおう見物けんぶつするだけでも一日いちにちようしますが、入場にゆうじよう無料むりようであり、かさつゑあづかつてくれても賃錢ちんせんりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さつしけん孝心かうしんおこたなく夏秋なつあき枝豆えだまめ賣歩行うりあるき或ひは母が手業てわざたすけと成又は使ひにやとはれて其賃錢ちんせんもらうけあさゆふなの孝行かうかうは見る人聞人感じける然るに有日あるひ道之助は例日いつもの通り枝豆えだまめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それだけ賃錢ちんせん餘分よぶんります。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
賃錢ちんせんによつて土地とちふかくもあさくもはやくもおそくも仕上しあげることをつてた。竹林ちくりん開墾かいこんしたときかれぢたまゝつぼおほきさをたゞつのかたまりおこしたことがある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
取出し其尋そのたづぬる人は此小袖の主にや此は斯々かう/\にて今朝けさむかひに參りしが龜屋の亭主に傳言でんごんして先刻お立なされしとの事なり此小袖このこそでは昨日の賃錢ちんせんに私が預りたり私へ沙汰さたなしに立れしは合點がてんゆかずと今もはなしてを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その財布さいふわづかたくはへはこの數日間すじつかんにどれほどかれすくつたかれなかつた。かれはまだいくらかの日用品にちようひんもとめる餘力よりよくいうしてた。かれ開墾かいこん賃錢ちんせんにすることが出來できればといふのぞみが十ぶんにあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)