觀世音くわんぜおん)” の例文
新字:観世音
あとにたのむは老人夫婦らうじんふうふこれまた補陀落山ふだらくさんからかりにこゝへ、いほりむすんで、南無なむ大悲だいひ民子たみこのために觀世音くわんぜおん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山續やまつゞきに石段いしだんたかく、木下闇こしたやみ苔蒸こけむしたるをかうへ御堂みだうあり、觀世音くわんぜおんおはします、てら觀藏院くわんざうゐんといふ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いきほひつて、わたし夢中むちう駈上かけあがつて、懷中電燈くわいちうでんとうあかりりて、戸袋とぶくろたなから、觀世音くわんぜおん塑像そざう一體いつたい懷中くわいちうし、つくゑしたを、壁土かべつちなかさぐつて、なきちゝつてくれた
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
淺草寺あさくさでら觀世音くわんぜおん八方はつぱうなかに、幾十萬いくじふまん生命いのちたすけて、あき樹立こだちもみどりにして、仁王門にわうもん五重ごぢうたふとともに、やなぎもしだれて、つゆのしたゝるばかりおごそか氣高けだか燒殘やけのこつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大船おほふな停車ていしやときまどつて、逗子づしかたむかひ、うちつけながらそれがしがお馴染なじみにておはします、札所ふだしよ阪東第三番ばんどうだいさんばん岩殿寺いはとのでら觀世音くわんぜおん御無沙汰ごぶさたのおわびまをし、道中だうちう無事ぶじと、ねんまゐらす。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たしかえきみとめたのは國府津こふづだつたのである。いつもは大船おほふななほして、かなたに逗子づし巖山いはやまに、湘南しやうなんうみなぎさにおはします、岩殿いはと觀世音くわんぜおんれいまゐらすならひであるのに。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……晝間ひるま出掛でかけられますか。つて路次ろじて、觀世音くわんぜおん參詣さんけいした。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)