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せいし
ふりがな文庫
“
西施
(
せいし
)” の例文
西施
(
せいし
)
、
小観音
(
こかんのん
)
、
小槌
(
こづち
)
、おだまき、獅子丸、
於呂知
(
おろち
)
、箱根、沖波などという
白拍子
(
しらびょうし
)
名をそれぞれに持っており、わけて於呂知というのは
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双無塩
(
ふたりのあくぢよ
)
独
(
ひとり
)
の
西施
(
せいし
)
と
語
(
かた
)
るは
蒹葭
(
けんが
)
玉樹
(
ぎよくじゆ
)
によるが如く、
皓歯
(
しろきは
)
燦爛
(
ひか/\
)
としてわらふは
白芙蓉
(
はくふよう
)
の水をいでゝ
微風
(
びふう
)
に
揺
(
うごく
)
がごとし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼女は
近処
(
きんじょ
)
で評判の「豆腐
西施
(
せいし
)
」で
白粉
(
おしろい
)
をコテコテ塗っていたが、頬骨もこんなに高くはなく、唇もこんなに薄くはなく、それにまたいつも坐っていたので
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
……しかも
真中
(
まんなか
)
に、ズキリと庖丁目を入れた処が、パクリと赤黒い口を
開
(
あ
)
いて、
西施
(
せいし
)
の腹の裂目を
曝
(
さら
)
す……
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実際又
西施
(
せいし
)
や
竜陽君
(
りゅうようくん
)
の祖先もやはり猿だったと考えることは多少の満足を与えないでもない。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
子が生れたら気が改まるかとも思ふてゐたのであらうなれど、たとへ小町と
西施
(
せいし
)
と手を引いて来て、
衣通姫
(
そとほりひめ
)
が舞ひを舞つて見せてくれても私の
放蕩
(
のら
)
は直らぬ事に極めて置いたを
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
西施
(
せいし
)
のひそみにならえるか。
靄々
(
あいあい
)
たる
眉
(
まゆ
)
のあたりに。すこししわをよせて。口の中で手紙をよんでいるところへ。来かかりたる女生徒。目は大きやかなれどどこにか愛敬あるが。そっと障子を明けて。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
留む
之
(
これ
)
子生涯快心の事
呉
(
ご
)
を亡ぼすの罪を正して
西施
(
せいし
)
を斬る
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
支那の諺に、「
西施
(
せいし
)
の
顰
(
ひそ
)
みに倣う」ということあり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
送りけるが彼の十兵衞の娘お富お文は
揃
(
そろ
)
ひも揃ひし
容貌
(
きりやう
)
にて殊に姉のお文は
小町
(
こまち
)
西施
(
せいし
)
も
恥
(
はぢ
)
らうばかりの
嬋妍
(
あでやか
)
もの
加之
(
そのうへ
)
田舍
(
ゐなか
)
育
(
そだ
)
ちには
似氣
(
にげ
)
もなく
絲竹
(
いとたけ
)
の道は更なり
讀書
(
よみかき
)
も
拙
(
つたな
)
からず
最
(
いと
)
愛
(
やさ
)
しき性質成れば
傍輩
(
はうばい
)
女郎も
勞
(
いた
)
はりて何から何まで
深切
(
しんせつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
やさしい
西施
(
せいし
)
に
扮
(
ふん
)
して
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
が、そのためには、最愛な美女
西施
(
せいし
)
を呉王へ献じなければならなかったが、范蠡は主君をいさめて、あえてその愛人西施をすら敵の呉宮へささげさせた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双無塩
(
ふたりのあくぢよ
)
独
(
ひとり
)
の
西施
(
せいし
)
と
語
(
かた
)
るは
蒹葭
(
けんが
)
玉樹
(
ぎよくじゆ
)
によるが如く、
皓歯
(
しろきは
)
燦爛
(
ひか/\
)
としてわらふは
白芙蓉
(
はくふよう
)
の水をいでゝ
微風
(
びふう
)
に
揺
(
うごく
)
がごとし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
子
(
こ
)
が
生
(
うま
)
れたら
氣
(
き
)
が
改
(
あらた
)
まるかとも
思
(
おも
)
ふて
居
(
ゐ
)
たのであらうなれど、たとへ
小町
(
こまち
)
と
西施
(
せいし
)
と
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて
來
(
き
)
て、
衣通姫
(
そとほりひめ
)
が
舞
(
ま
)
ひを
舞
(
ま
)
つて
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れても
私
(
わたし
)
の
放蕩
(
のら
)
は
直
(
なほ
)
らぬ
事
(
こと
)
に
極
(
き
)
めて
置
(
お
)
いたを
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
後宮
(
こうきゆう
)
の
佳麗
(
かれい
)
三千人と云ふと、おれは
何時
(
いつ
)
もお前たちが、重なり合つた楼閣の中に、巣を食つた所を想像する。そら、
西施
(
せいし
)
が
芋
(
いも
)
の皮を
噛
(
か
)
じつてゐると、
楊貴妃
(
やうきひ
)
は一生懸命に車をまはしてゐるぢやないか。
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
洗い髪に大絞りの
浴衣
(
ゆかた
)
を着て、
西施
(
せいし
)
を
粋
(
いき
)
にしたような年増の
阿娜女
(
あだもの
)
が、姿とはやや不調和な、
塗
(
ぬ
)
りの
勾欄
(
こうらん
)
に身をもたせて、不思議そうに美しい眼をみはっていた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何のそんな事で私が放蕩のやむ事か、人は顏の好い女房を持たせたら足が止まるか、子が生れたら氣が改まるかとも思ふて居たのであらうなれど、たとへ小町と
西施
(
せいし
)
と手を引いて來て
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これすなわち
范蠡
(
はんれい
)
が美姫
西施
(
せいし
)
を送って強猛な
夫差
(
ふさ
)
を亡ぼしたのと同じ計になるではありませんか
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西施
(
せいし
)
、小観音、おだまき、箱根、小槌、獅子丸などどれひとり道誉と馴じみ少ないものはない。わけて白拍子茶屋の白龍は
極道
(
ごくどう
)
な道誉をウラのウラまで知りつくしているおかみであった。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“西施”の意味
《固有名詞》
越王勾践が策略のために呉王夫差に献上した女性。美女の代名詞としても用いられる。
(出典:Wiktionary)
“西施”の解説
西施(せいし、生没年不詳)は、中国の女性。美人として知られ、王昭君・貂蝉・楊貴妃を合わせて中国古代四大美女といわれる。
(出典:Wikipedia)
西
常用漢字
小2
部首:⾑
6画
施
常用漢字
中学
部首:⽅
9画
“西施”で始まる語句
西施舌