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ばかばか
ふりがな文庫
“
莫迦莫迦
(
ばかばか
)” の例文
もちろん後で考えると、それは震災の大きなショックから来た神経衰弱症にちがいなく、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいことではあったけれども——。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それでも結婚しないとすれば、たといこの
市
(
まち
)
にいるように
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい非難は浴びないにしろ、自活だけは必要になって来るでしょう。
文放古
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、全く
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいことに、王、副王以下各大酋長の決議で「サモア支配権を英国に
委
(
ゆだ
)
ねたい」旨を申出そうとしたのだ。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
源吉は、最初の(気が狂って仕舞ったのか)とも思えた、興奮の自分が、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しく、ウソのように感じられた。
鉄路
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「おや、人の家の
生活費
(
くらし
)
の
算盤
(
そろばん
)
をするなんて自分のものにもなりゃしないのに。
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい、よそうよそう。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
この現実性の強き存在と、その不思議なる立体感なき心の簡単なる超自然の超現実的亡霊などはあまりにも
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しき童謡であり童話であるに過ぎない。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
そして持彦は悠然と加茂の土手をつたい、おそ秋の日ざしをあびながら、人間の心にあるものを神の形式によってあらためることの
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しさを笑って行った。
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
善兵衛は
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいと云ったふうに、顔を
外向
(
そむけ
)
てしまった、こんどは渡邊の描いた見取図を受取て
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
で、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいようだが、ドイツは、
盲人
(
めくら
)
に、よいように手紙を読んでやる長屋の悪書生みたいな
遣
(
や
)
り方で、アフガニスタンを
誤魔化
(
ごまか
)
してなにかせしめようとした。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい、今夜はどうかしてるんだナ、ふん……と心中呟いて、自分の率直な認識を否定して了いました、と云うのは、現在の妻が其の女程美しく装い得る筈が無いからで
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
その手紙を見るなり、おれは、こともあろうに損害賠償とはなんだ、折角これまで尽して来てやったのに……と、直ぐ呶鳴り込んでやろうと思ったが、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいから、よした。
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいことだが、私は何度も林の中の空地で
無駄
(
むだ
)
に待ち
伏
(
ぶ
)
せたものだった。男の子のように美しい田舎の娘がその林の中からひょっこり私の前に飛び出して来はしないかと。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
が、そのうちに今度は例の九号型というものが出来て見ると、我々の感激は更に新たなものとなり、前のラッパの付いたものなどは
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくて顧みる者さえなくなってしまった。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
万吉郎は悦びのあまり、男の手をとってひき起し砂利場の上で共に抱きあって狂喜乱舞したとは、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいほどの悦び方だ。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
何、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい遠慮ばかりしてゐる?——東京人と云ふものは
由来
(
ゆらい
)
かう云ふ莫迦莫迦しい遠慮ばかりしてゐる人種なのだよ。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
全く
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい話だが、その時の泥酔したような変な気持を
後
(
あと
)
で考えて見ると、どうやら私はちょっと熱帯の魔術にかかっていたようである。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
夜は静かであるしお身の寝息がわたどののあたりで聞える、髪もにおうて来る、お身の話す言葉がながい列になって頭にうかんで来る、そうなると一人でいることが
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくなり
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
猥雑
(
わいざつ
)
なレヴュウを観て居る裡に、忽ちそんな場所に居る事が
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくなり一刻も早く直接女との交渉を持った方が切実だと謂う気になりまして直ぐ
態
(
さま
)
其処を飛び出して了いましたものの
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
しかしそれをそう云わなければ、この楽天家の中尉の頭に
変態性慾
(
へんたいせいよく
)
の
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい
所以
(
ゆえん
)
を
刻
(
きざ
)
みつけてしまうことは不可能だからである。……
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかも後でふりかえってみると、実に腹が立って腹が立ってたまらないくらい、僕ひとりで
独楽
(
こま
)
のようにくるくる廻っていたという
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい精力浪費事件なのさ
暗号数字
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
曾
(
かつ
)
て大宰相グラッドストーンが「宝島」の初版を求めて古本屋を
漁
(
あさ
)
っていると聞いた時も、彼は真実、虚栄心をくすぐられる所でなく、何か
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいような不愉快さを
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
俊助は急に昨夜の一件を確かめたい気が強くなって来た。が、そのためにわざわざ席を離れるのは、面倒でもあるし、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくもあった。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
。
手前
(
てめえ
)
はなんて
唐変木
(
とうへんぼく
)
なんだろう。
自惚
(
うぬぼれ
)
が強すぎるぜ。まだ仕事も一人前に出来ないのに……
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こう云うゲエムの
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しさに憤慨を禁じ得ないものはさっさと
埒外
(
らちがい
)
に歩み去るが好い。自殺も亦確かに一便法である。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
十人ばかりの女が誰一人のこらず、てんでに帯の間から
燐寸
(
マッチ
)
を出し、シュッと火をつける。まるで燐寸すり競争をやっているようなものだ。
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくて見ていられない。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
保吉 何、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しさに
業
(
ごう
)
を
煮
(
に
)
やしたのです。それは業を煮やすはずでしょう。元来達雄は妙子などを少しも愛したことはないのですから。……
或恋愛小説
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
というところで、梅野十伍は後を書きつづけるのが
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくなって、ペンを置いた。
軍用鼠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで、僕は志村のペパミントの話をして、「これは私の親友に
臂
(
ひじ
)
を食わせた女です。」——
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいが、そう云った。主人役がもう年配でね。
片恋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「愛するミミよ。間違った信念を持つ艇長に、僕たちの尊い青春を形なしにされてしまうなんて
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいじゃないか。今のうちなら、地球へ戻ってくれといえば、艇長も承知してくれるよ」
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
が、おれは
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しかったから、ここには
福原
(
ふくはら
)
の
獄
(
ひとや
)
もない、
平相国
(
へいしょうこく
)
入道浄海
(
にゅうどうじょうかい
)
もいない、
難有
(
ありがた
)
い難有いとこう云うた。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そんな
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいことがあってたまるものではない。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何でもお民の言葉によれば、あの五段歩に近い畑を十円ばかりの小作に出してゐるのはどう考へても
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい。
一塊の土
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかしそれよりも忘れられないのはお嬢さんと顔を合せた
途端
(
とたん
)
に、何か常識を超越した、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいことをしはしないかと云う、妙に病的な不安である。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それから僕に「
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいよ、クルシイクルシイですか、ヘトヘトだですかときいて来たんだ。」
講演軍記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
活動写真ならばまだ
好
(
い
)
いが、メリイ・ゴオ・ラウンドと来ているんだ。おまけに二人とも木馬の上へ、ちゃんと
跨
(
またが
)
っていたんだからな。今考えても
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい次第さ。
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もっとも恋愛の
円満
(
えんまん
)
に
成就
(
じょうじゅ
)
した場合は別問題ですが、万一失恋でもした日には必ず
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい
自己犠牲
(
じこぎせい
)
をするか、さもなければもっと莫迦莫迦しい復讐的精神を発揮しますよ。
或恋愛小説
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これは一時でも市兵衛の計に乗つて、幾分の好奇心を動かしたのが、彼自身
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しくなつたからである。彼はまづさうに煙草を吸ひながら、とうとうこんな理窟を云ひ出した。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
世間の奴等の
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しさが、
可笑
(
をか
)
しくつて、可笑しくつて、こてえられ無かつた。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ああ言う芸術家の
顰
(
ひそ
)
みに
傚
(
なら
)
えば、わたしも亦一鑵六十銭の蟹の鑵詰めを自慢しなければならぬ。不肖行年六十一、まだ一度も芸術家のように
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい
己惚
(
うぬぼ
)
れを起したことはない。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかしそんなことも今になって見れば、誰にも
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい心配だった。
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何、売り
価
(
ね
)
でございますか? 今になつて考へますと、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいやうでございますが、確か三十円とか申して居りました。それでも当時の諸式にすると、ずゐぶん高価には違ひございません。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「なるほどそれじゃ
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい。危険を
冒
(
おか
)
すだけ損の
訣
(
わけ
)
ですね。」
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕はちょっと
狼狽
(
ろうばい
)
し、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいほどちゃんと坐り直しました。
手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
大浦
(
おおうら
)
と云う守衛ですがね。
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しい目に
遇
(
あ
)
ったですよ。」
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
莫
漢検準1級
部首:⾋
10画
迦
漢検準1級
部首:⾡
9画
莫
漢検準1級
部首:⾋
10画
迦
漢検準1級
部首:⾡
9画
“莫迦”で始まる語句
莫迦
莫迦々々
莫迦者
莫迦気
莫迦野郎
莫迦囃
莫迦氣
莫迦力
莫迦大
莫迦奴