舞上まひあが)” の例文
ひら/\、と夕空ゆふぞらくもおよぐやうにやなぎから舞上まひあがつた、あゝ、それ五位鷺ごゐさぎです。中島なかじまうへ舞上まひあがつた、とるとけてさつおとした。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(ひい。)とをんなこゑさぎ舞上まひあがりました。つばさかぜに、はなのさら/\とみだるゝのが、をんな手足てあしうねらして、もがくに宛然さながらである。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をとこすそ見出みだししかば、ものをもはず一嘴ひとくちばし引咬ひつくはへてばせば、美少年びせうねんはもんどりつて、天上てんじやう舞上まひあがり、雲雀ひばり姿すがたもなかりしとぞ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
女中ぢよちう一荷ひとに背負しよつてくれようとするところを、其處そこ急所きふしよだと消口けしぐちつたところから、ふたゝ猛然まうぜんとしてすゝのやうなけむり黒焦くろこげに舞上まひあがつた。うづおほきい。はゞひろい。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すらりと大地だいちなゝめながるゝかとすれば、千本せんぼんうで帆柱ほばしらに、のきうへへまつすぐに舞上まひあがる。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とくる/\と𢌞まはるのです。𢌞まはりながらいて、き/\卷込まきこめるとると、たちますさまじいうづつて、ひゆうとりながら、舞上まひあがつてんでく。……くといなや、つゞいて背後うしろからいてます。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)