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脂肪
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しぼう
ふりがな文庫
“
脂肪
(
しぼう
)” の例文
つぎにモコウは、一生けんめいに動物やさかなの料理をするたびに、その
脂肪
(
しぼう
)
を貯蓄したので、燈火の油に不足の心配はなくなった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
日頃はその汗をすらかくことのない生活に馴れているので、体は
贅肉
(
ぜいにく
)
と
脂肪
(
しぼう
)
に富み、四十を過ぎてからは、目に立って
肥
(
こ
)
えていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このしんせつな
忠告
(
ちゅうこく
)
どおりにして、ふたりはヘット(
料理
(
りょうり
)
につかう牛の
脂肪
(
しぼう
)
)のはいった小さなつぼをひとつ買いこみました。
ネコとネズミのいっしょのくらし
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「それは
脂肪
(
しぼう
)
のためだろう、けれど豚にも骨はある。それから肉もあるんだから、たぶん比重は一ぐらいだ。」
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
かつては豊満な
脂肪
(
しぼう
)
で柔かった肩も今は痛々しいくらい痩せて、寺田は気の遠くなるほど悲しかったが、一代ももう寺田に肩を噛まれながら
昔
(
むかし
)
の喜びはなく
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
人間の
体躯
(
たいく
)
も骨ばかりでは用をなさぬ、筋肉もあれば
脂肪
(
しぼう
)
もある、腹や
股
(
もも
)
が柔であるから、人体は柔であるといえぬ。
爪
(
つめ
)
や
歯牙
(
しが
)
があるから剛だともいわれぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
脂肪
(
しぼう
)
のたくさんな、むくむくと
毛
(
け
)
の
厚
(
あつ
)
いしろくまはそこを
平気
(
へいき
)
で
歩
(
ある
)
いていました。また、
氷
(
こおり
)
が
解
(
と
)
ける
時分
(
じぶん
)
になれば、
険
(
けわ
)
しい
山
(
やま
)
の
方
(
ほう
)
へのこのこと
帰
(
かえ
)
ってゆきました。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
脂肪
(
しぼう
)
づいた
小富豪
(
しょうふごう
)
らしい
身体
(
からだ
)
に、小初と同じ都鳥の
紋
(
もん
)
どころの水着を着て、貝原はすっかり水泳場の助手になり済ましている。小初はいつもよりいくらか
滑
(
なめ
)
らかに答えた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
香油を
塗
(
ぬ
)
り込んだあとを、よく拭き
取
(
と
)
つた様に、
肩
(
かた
)
を
揺
(
うご
)
かしたり、
腕
(
うで
)
を
上
(
あ
)
げたりする
度
(
たび
)
に、
局所
(
きよくしよ
)
の
脂肪
(
しぼう
)
が
薄
(
うす
)
く
漲
(
みなぎ
)
つて見える。かれは
夫
(
それ
)
にも満足である。次に黒い
髪
(
かみ
)
を
分
(
わ
)
けた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
骨節の延び延びとした、やや痩せぎすのしなやかさは十六七の娘という方が適当かもしれないが、
争
(
あらそ
)
われないのは胸のあたりの暖かい肉づき、小鼻と生えぎわの滑かな
脂肪
(
しぼう
)
だった。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
今の世は
頻
(
しき
)
りに体育論と智育論との
争
(
あら
)
そいがあるけれどもそれは
程
(
ほど
)
と
加減
(
かげん
)
によるので、智育と体育と徳育の三つは
蛋白質
(
たんぱくしつ
)
と
脂肪
(
しぼう
)
と
澱粉
(
でんぷん
)
のように程や加減を測って配合しなければならん。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
三十歳前後に至って始めて顔が
赭
(
あか
)
く焼けて来て
脂肪
(
しぼう
)
を
湛
(
たた
)
え急に体が太り出して
紳士
(
しんし
)
然たる
貫禄
(
かんろく
)
を備えるようになるその時分までは全く婦女子も同様に色が白く衣服の好みも随分
柔弱
(
にゅうじゃく
)
なのである。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人は決して
澱粉
(
でんぷん
)
蛋白
(
たんぱく
)
脂肪
(
しぼう
)
だけで生きて行かれるものではない。ヴィタミンが必要である。ヴィタミンだけでは生きて行かれないが、しかしヴィタミンを欠いだ栄養は壊血病を起こし
脚気症
(
かっけしょう
)
を誘発する。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
背何尺何寸、筋骨
脂肪
(
しぼう
)
質、
足袋
(
たび
)
何文、顔うす黒い質、あばたあり、右の眉すこし薄し……などという
緻密
(
ちみつ
)
な人相書を授けられて
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その際あんまりびっくりなさいませんように。次にその残りの各々から
蛋白質
(
たんぱくしつ
)
脂肪
(
しぼう
)
含水炭素
(
がんすいたんそ
)
の可消化量を計算してそれから
各
(
おのおの
)
の発する熱量を計算して合計します。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「やあ、
此方
(
こつち
)
へ」と席を勧めたのが代助にはやうやうであつた。誠吾は席に
着
(
つ
)
くや否や、扇子を出して、
上布
(
じやうふ
)
の
襟
(
えり
)
を
開
(
ひら
)
く様に、
風
(
かぜ
)
を送つた。此暑さに
脂肪
(
しぼう
)
が
焼
(
や
)
けて苦しいと見えて、荒い
息遣
(
いきづかひ
)
をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
珍らしき御馳走に客は腹の
膨
(
ふく
)
るるまで
飽食
(
ほうしょく
)
せり「奥さん、あんまり
美味
(
おいし
)
いので三杯も平らげましたが軽いといっても南京豆
脂肪
(
しぼう
)
に富んだものですから胸が焼けて気が重くなってモー動けません。困りましたな」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ここ五年越しの打続く戦陣生活にもずいぶん無理はして来たに違いないが、それにしても四十七歳という体にしては余りに
脂肪
(
しぼう
)
がなさ過ぎる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以外の物質は、みなすべて、よくこれを
摂取
(
せっしゅ
)
して、
脂肪
(
しぼう
)
若
(
もし
)
くは
蛋白質
(
たんぱくしつ
)
となし、その体内に
蓄積
(
ちくせき
)
す。
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
脂肪
(
しぼう
)
に富んだ皮膚は
生地
(
きじ
)
から色白な質だった。ことし四十一の男ざかりではあり、世の中のおもしろい、そして得意の絶頂にある義元だった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然しながらもし
蛋白質
(
たんぱくしつ
)
と
脂肪
(
しぼう
)
とについて考えるならば何といっても植物性のものは消化が悪い。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今権六がいわれるまま強くこすっている所を見ても、すぐ毛穴から
脂肪
(
しぼう
)
のような赤い血がふき出る程であった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで、
澱粉
(
でんぷん
)
と
脂肪
(
しぼう
)
と
蛋白質
(
たんぱくしつ
)
と、この成分の大事なことはよくおわかりになったでしょう。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“脂肪”の解説
脂肪(しぼう)は、物性上の本来の意味では油脂(動植物に含まれるもの)のうち、常温で個体のものをいう。栄養学上では、広義には中性脂肪、複合脂質、ステロール類など有機溶媒に溶ける一群の有機化合物の総称(脂質)をいう。狭義には、このうち中性脂肪のみを指す。
(出典:Wikipedia)
脂
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
肪
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“脂肪”で始まる語句
脂肪肉
脂肪質
脂肪分
脂肪切
脂肪心
脂肪気
脂肪肥
脂肪親族