“脂肪肉”の読み方と例文
読み方割合
あぶらみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
死体は鯨の脂肪肉あぶらみかアルコール漬の胎児の標本かというような白けた冴えぬ色をし、わずか耳の上に残った五六本の髪の毛が眼玉の抜けた眼窩に入りこみ、耳の穴から青々と水藻みずもが萌えだしている。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
皆は脂肪肉あぶらみのビフテキをかち/\言はせながら、各自てんでに腹のなかで
なアに鶴や膃肭臍が滅多に取れるものか。豚の脂や仙台まぐら脂肪肉あぶらみで好いのだ。脂でさへあれば胼あかぎれには確に効く。此奴を一貝ひとかひ一銭に売るんだが二貫か三貫か資本もとで一晩二両三両の商売あきなひになる。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)