肩章けんしやう)” の例文
モスクワへつてから、ミハイル、アウエリヤヌヰチは肩章けんしやう軍服ぐんぷくに、赤線あかすぢはひつたヅボンを穿いてまちあるくにも、軍帽ぐんばうかぶり、軍人ぐんじん外套ぐわいたうた。兵卒へいそつかれ敬禮けいれいをする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
軍艦ぐんかん」の艦中かんちうには一人ひとりむるものかつた。艦橋かんけうには艦長松島海軍大佐かんちやうまつしまかいぐんたいさをはじめとし、一團いちだん將校しやうかうつき燦爛さんらんたる肩章けんしやうなみたせて、隻手せきしにぎ双眼鏡さうがんきやうえず海上かいじやうながめてる。
いましも、後部甲板こうぶかんぱん昇降口しやうかうぐちよりあらはれて、一群いちぐん肩章けんしやうなみたせたる年少ねんせう士官等しくわんらかたりながら、しづかに此方こなたかゝる二個ふたりひと——軍艦々上ぐんかん/\じやうにはめづらしき平服へいふく姿すがた一個ひとり威風堂々ゐふうどう/\たる肥滿ひまん紳士しんし
大佐たいさ一顧いつこ軍刀ぐんたうさやはらつて、きつ屹立つゝた司令塔上しれいたうじやう、一れいたちまたかく、本艦々上ほんかんかんじやう戰鬪喇叭せんとうらつぱる、士官しくわん肩章けんしやうきらめく、水兵すいへいその配置はいちく、此時このときすではやし、すでおそし、海賊船かいぞくせんから打出うちだ彈丸だんぐわんあめか、あられか。