トップ
>
羽子板
>
はごいた
ふりがな文庫
“
羽子板
(
はごいた
)” の例文
今あの
羽子板
(
はごいた
)
の少女はどうしているかしら、と羽子は考へました。眼のくりくりっとした、羽子板の少女の顔がはっきりと思い出せるのでした。
屋根の上
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
時子
(
ときこ
)
さんは、二つ
羽子板
(
はごいた
)
を
持
(
も
)
ってきました。
二人
(
ふたり
)
は、
羽根
(
はね
)
をついていました。すると、
近所
(
きんじょ
)
の
子供
(
こども
)
たちが
集
(
あつ
)
まってきて
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家の内には竜子が生れた時から
見馴
(
みな
)
れた
箪笥
(
たんす
)
火鉢
(
ひばち
)
屏風
(
びょうぶ
)
書棚の如き家具の
外
(
ほか
)
に茶の湯裁縫生花の道具、または大きな
硝子
(
ガラス
)
戸棚の中に並べられた人形
羽子板
(
はごいた
)
玩具
(
がんぐ
)
のたぐい
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何でも、
切餅
(
きりもち
)
が二、三十切れと、魚の
切身
(
きりみ
)
が七、八つ、小さい紙袋が三つ四つ、それから、赤い紙を貼った三銭か五銭かの
羽子板
(
はごいた
)
が一枚、それだけがその中から出て来た。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
羽子板
(
はごいた
)
の役者の似顔の細工しか見たことがなかったが、そして、羽子板の細工にも、
随分
(
ずいぶん
)
精巧なものもあるのだけれど、この押絵は、そんなものとは、まるで比較にもならぬ程
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ハタキと
羽子板
(
はごいた
)
を
鉄砲
(
てっぽう
)
にしている並木と八津がやめずに歌いつづけ、走りまわっているなかで、大吉のふしんがっている気持をしずめてやるように、いきなり背中に手をまわすと
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ある時私は、柳編みの
羽子板
(
はごいた
)
と、黄や青や緑の羽毛のついた
羽子
(
はね
)
とを、お前に買ってやったことがある。お前はもう忘れているでしょう。お前はごく小さい時はほんとにいたずらだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
羽子板
(
はごいた
)
などが山と高く掲げられるのも見ものでありますが、
酉町
(
とりのまち
)
の
熊手
(
くまで
)
など、考えると不思議にも面白い装飾に達したものであります。玩具の
犬張子
(
いぬはりこ
)
などにも、何か
紛
(
まが
)
いない江戸の姿が浮びます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
沼南のインコ夫人の極彩色は番町界隈や
基督
(
キリスト
)
教界で誰知らぬものはなかった。
羽子板
(
はごいた
)
の押絵が抜け出したようで余り目に立ち過ぎたので、
鈍色
(
にぶいろ
)
を女徳の看板とする教徒の間には顰蹙するものもあった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
古
(
ふる
)
くより
持
(
もち
)
つたへし
錦繪
(
にしきゑ
)
かず/\
取出
(
とりいだ
)
し、
褒
(
ほ
)
めらるゝを
嬉
(
うれ
)
しく
美登利
(
みどり
)
さん
昔
(
むか
)
しの
羽子板
(
はごいた
)
を
見
(
み
)
せよう、これは
己
(
お
)
れの
母
(
かゝ
)
さんがお
邸
(
やしき
)
に
奉公
(
ほうこう
)
して
居
(
ゑ
)
る
頃
(
ころ
)
いたゞいたのだとさ、をかしいでは
無
(
な
)
いか
此
(
この
)
大
(
おほ
)
きい
事
(
こと
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
羽子板
(
はごいた
)
の箔にうけたり春の雪 吾仲
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
羽子板
(
はごいた
)
を口にあてつゝ人を呼ぶ
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
かちんと、
羽子板
(
はごいた
)
にはねられると、
羽子
(
はご
)
は、うんと高く飛び
上
(
あが
)
ってみました。それから、また板に戻ってくると、こんどはもっと思いきって高く飛び上りました。
屋根の上
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
東京
(
とうきょう
)
にいる
時分
(
じぶん
)
、
羽子板
(
はごいた
)
で
打
(
う
)
たれて、
空
(
そら
)
へ
舞
(
ま
)
い
上
(
あ
)
がるたびに、もっと、もっと
高
(
たか
)
く、あの
茜色
(
あかねいろ
)
の
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
へ
上
(
あ
)
がることができたらと、
高
(
たか
)
いところにあこがれたことがありました。
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その他
羽子板
(
はごいた
)
、
押絵
(
おしえ
)
、
飴細工
(
あめざいく
)
、菊人形、
活人形
(
いきにんぎょう
)
、
覗機関
(
のぞきからくり
)
、
声色使
(
こわいろつかい
)
の雑技あり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
羽子板
(
はごいた
)
の
押絵
(
おしえ
)
のようにまた一段と
際立
(
きわだ
)
って浮び出す。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
私
(
わたし
)
家
(
いえ
)
へいって、
羽子板
(
はごいた
)
を
持
(
も
)
ってくるわ。」
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
羽子板
(
はごいた
)
の
押絵
(
おしゑ
)
のやうに
又
(
また
)
一段と
際立
(
きはだ
)
つて
浮
(
うか
)
び出す。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“羽子板”の解説
羽子板(はごいた)は、長方形で柄のある板。
(出典:Wikipedia)
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
“羽子板”で始まる語句
羽子板市
羽子板屋