“切身”の読み方と例文
読み方割合
きりみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾輩が金田邸へ行くのは、招待こそ受けないが、決してかつお切身きりみをちょろまかしたり、眼鼻が顔の中心に痙攣的けいれんてきに密着しているちん君などと密談するためではない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何でも、切餅きりもちが二、三十切れと、魚の切身きりみが七、八つ、小さい紙袋が三つ四つ、それから、赤い紙を貼った三銭か五銭かの羽子板はごいたが一枚、それだけがその中から出て来た。
見渡す処、死んだ魚の眼の色は濁りよどみそのうろこは青白くせてしまい、切身きりみの血の色は光沢つやもなくひえ切っているので、店頭の色彩が不快なばかりか如何いかにも貧弱に見えます。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)