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切身
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きりみ
ふりがな文庫
“
切身
(
きりみ
)” の例文
吾輩が金田邸へ行くのは、招待こそ受けないが、決して
鰹
(
かつお
)
の
切身
(
きりみ
)
をちょろまかしたり、眼鼻が顔の中心に
痙攣的
(
けいれんてき
)
に密着している
狆
(
ちん
)
君などと密談するためではない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何でも、
切餅
(
きりもち
)
が二、三十切れと、魚の
切身
(
きりみ
)
が七、八つ、小さい紙袋が三つ四つ、それから、赤い紙を貼った三銭か五銭かの
羽子板
(
はごいた
)
が一枚、それだけがその中から出て来た。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
見渡す処、死んだ魚の眼の色は濁り
淀
(
よど
)
みその
鱗
(
うろこ
)
は青白く
褪
(
あ
)
せてしまい、
切身
(
きりみ
)
の血の色は
光沢
(
つや
)
もなく
冷
(
ひえ
)
切っているので、店頭の色彩が不快なばかりか
如何
(
いか
)
にも貧弱に見えます。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
下女に云付又七が
飯
(
めし
)
汁
(
しる
)
茶
(
ちや
)
などへ
入
(
い
)
れて毎日々々
用
(
もち
)
ひしとぞ彼の長助も此事を
聞
(
きゝ
)
しかば又七へも密かに
告置
(
つげおき
)
己
(
おのれ
)
も
隨分
(
ずゐぶん
)
心を付ると雖も
大勢
(
おほぜい
)
にて爲る事なれば
何時
(
いつ
)
の間に入けるや知らざれども
或時
(
あるとき
)
鮃
(
ひらめ
)
の
切身
(
きりみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
臺所
(
だいどころ
)
へ
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ると、
細君
(
さいくん
)
は
七輪
(
しちりん
)
の
火
(
ひ
)
を
赤
(
あか
)
くして、
肴
(
さかな
)
の
切身
(
きりみ
)
を
燒
(
や
)
いてゐた。
清
(
きよ
)
は
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
に
曲
(
こゞ
)
んで
漬物
(
つけもの
)
を
洗
(
あら
)
つてゐた。
二人
(
ふたり
)
とも
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
かずにせつせと
自分
(
じぶん
)
の
遣
(
や
)
る
事
(
こと
)
を
遣
(
や
)
つてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「
全
(
まつた
)
くね。
是
(
これ
)
ぢや
誰
(
だれ
)
だつて、
遣
(
や
)
つて
行
(
い
)
けないわ。
御肴
(
おさかな
)
の
切身
(
きりみ
)
なんか、
私
(
わたし
)
が
東京
(
とうきやう
)
へ
來
(
き
)
てからでも、もう
倍
(
ばい
)
になつてるんですもの」と
云
(
い
)
つた。
肴
(
さかな
)
の
切身
(
きりみ
)
の
値段
(
ねだん
)
になると
小六
(
ころく
)
の
方
(
はう
)
が
全
(
まつた
)
く
無識
(
むしき
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“切身”で始まる語句
切身付焼