トップ
>
目懸
>
めが
ふりがな文庫
“
目懸
(
めが
)” の例文
方角も
真直
(
まっすぐ
)
じゃないが、とにかく見える。もし
坑
(
あな
)
の中が一本道だとすれば、この灯を
目懸
(
めが
)
けて、初さんも自分も進んで行くに違ない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
爪長
(
つめなが
)
く、
大
(
おほき
)
さは七
尺
(
しやく
)
乃至
(
ないし
)
一
丈
(
じやう
)
二三
尺
(
じやく
)
位
(
ぐら
)
いの
巨鳥
(
きよてう
)
が、
天日
(
てんじつ
)
も
暗
(
くら
)
くなる
迄
(
まで
)
夥
(
おびたゞ
)
しく
群
(
ぐん
)
をなして、
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
を
目懸
(
めが
)
けて、
襲
(
おそ
)
つて
來
(
き
)
たのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
銃声が
轟
(
とどろ
)
く。
硝子
(
ガラス
)
の
壊
(
こわ
)
れる音。
悲鳴
(
ひめい
)
。
途端
(
とたん
)
に又もや腰掛がぶうんと
呻
(
うな
)
りを生じて美女の顔を
目懸
(
めが
)
けて飛ぶ。これは美貌の男の防禦手段だった。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これまでなりと観念したる白糸は、持ちたる出刃を取り直し、躍り狂う内儀の
吭
(
のんど
)
を
目懸
(
めが
)
けてただ一突きと突きたりしに、
覘
(
ねら
)
いを
外
(
はず
)
して
肩頭
(
かたさき
)
を
刎
(
は
)
ね
斫
(
き
)
りたり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
晩餐の卓に就いて居た時、動き出さうとする汽車を
目懸
(
めが
)
けて四羽の
雁
(
がん
)
の足を両手で持つて走つて来る男があつた。再び汽車が止まると食堂のボオイが降りて
其
(
その
)
雁
(
がん
)
を買つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
訝
(
いぶ
)
かる
大洞
(
おほほら
)
の面上
目懸
(
めが
)
けて松島は酒気吹きかけつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
車輪とレールとの間に、確かな
手応
(
てごたえ
)
があった。あのたまらなくハッキリした
轢音
(
れきおん
)
が……。佐用媛がいきなりホームからレール
目懸
(
めが
)
けて飛びこんだのだ!
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その作物の大体を
鷲攫
(
わしづか
)
みにして、そうしてもっとも顕著に見える特性だけを
目懸
(
めが
)
けて名を下したまでであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
隙
(
すき
)
を
目懸
(
めが
)
けて、
摩耶
(
まや
)
を司令艦とする
高雄
(
たかお
)
、
足柄
(
あしがら
)
、
羽黒
(
はぐろ
)
などの一万噸巡洋艦は、グングン接近して行った。
的
(
まと
)
と
覘
(
ねら
)
うは、レキシントン級の、大航空母艦であった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
長く白い足で、
太腹
(
ふとばら
)
を
蹴
(
け
)
ると、馬はいっさんに
駆
(
か
)
け出した。誰かが篝りを
継
(
つ
)
ぎ
足
(
た
)
したので、遠くの空が薄明るく見える。馬はこの明るいものを
目懸
(
めが
)
けて闇の中を飛んで来る。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或る者は、交番の前に、青物の車を置いたまま、
印袢纏
(
しるしばんてん
)
で、
営門
(
えいもん
)
をくぐった。また或る者は、手術のメスを看護婦の手に渡したまま、聯隊
目懸
(
めが
)
けて、飛び出して行った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
少なくとも、今述べたような目的をもってならば最初からその心得で述作に取りかかっても、ただ述作だけを
目懸
(
めが
)
けて取りかかっても同じ事だと私は思ってるのであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
山の頂上から向うの峠を
目懸
(
めが
)
けて写真をうつすにしても、普通の写真だとあまり
明瞭
(
めいりょう
)
にうつらないが、普通の光線は
遮
(
さえぎ
)
り、その風景から出ている赤外線だけで写真をとると
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
井深は一箇月ほど前に十五銭で
鉄瓶
(
てつびん
)
の
葢
(
ふた
)
だけを買って文鎮にした。この間の日曜には二十五銭で鉄の
鍔
(
つば
)
を買って、これまた
文鎮
(
ぶんちん
)
にした。今日はもう少し大きい物を
目懸
(
めが
)
けている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
警官が
取押
(
とりおさ
)
えようとする手をはらいのけて、勇敢にも室内へ躍り込んだが柱のかげにひそんでいる鬼村博士の姿を
目懸
(
めが
)
けて飛びかかって行った。博士は悲鳴をあげて救いを求めた。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この時庄太郎はふと気がついて、向うを見ると、
遥
(
はるか
)
の青草原の尽きる
辺
(
あたり
)
から幾万匹か数え切れぬ豚が、
群
(
むれ
)
をなして一直線に、この絶壁の上に立っている庄太郎を
目懸
(
めが
)
けて鼻を鳴らしてくる。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はすっかり元気になって、第一隊の先頭に立ち、表玄関を
目懸
(
めが
)
けて駈け出しました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
全身に、妙な白い
入墨
(
いれずみ
)
をした原地人兵が、手に手に、
盾
(
たて
)
をひきよせ、
槍
(
やり
)
を高くあげ、
十重二十重
(
とえはたえ
)
の
包囲陣
(
ほういじん
)
をつくって、海岸に押しよせる
狂瀾怒濤
(
きょうらんどとう
)
のように、醤の陣営
目懸
(
めが
)
けて攻めよせた。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その発電所
目懸
(
めが
)
けて、この怪しい長軸は、ぐんぐん伸びていくのであった。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論