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玳瑁
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たいまい
ふりがな文庫
“
玳瑁
(
たいまい
)” の例文
玳瑁
(
たいまい
)
の地に
金蒔絵
(
きんまきえ
)
で丸にいの字の
田之助
(
たゆう
)
の紋が打ってあるという豪勢な物、これが、その日暮しのお菊の髪に差さっていたのがこの際不審の種であった。
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
室子の家の商品の鼈甲は始め、
玳瑁
(
たいまい
)
と呼ばれていた。徳川、天保の改革に幕府から厳しい
奢侈
(
しゃし
)
禁止令が出て女の髪飾りにもいわゆる金銀玳瑁はご
法度
(
はっと
)
であった。
娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
諸行
(
しょぎょう
)
無常は浮世のならい
某
(
それがし
)
の身の
老朽
(
おいく
)
ち行くは、さらさら
口惜
(
くちお
)
しいとも存じませぬが、わが国は
勿論
(
もちろん
)
唐天竺
(
からてんじく
)
和蘭陀
(
オランダ
)
におきましても、
滅多
(
めった
)
に二つとは見られぬ珊瑚
玳瑁
(
たいまい
)
ぎやまんの
類
(
たぐい
)
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大きなスペイン
風
(
ふう
)
の
玳瑁
(
たいまい
)
の飾り
櫛
(
ぐし
)
、くっきりと白く細い
喉
(
のど
)
を攻めるようにきりっと重ね合わされた
藤色
(
ふじいろ
)
の
襟
(
えり
)
、胸のくぼみにちょっとのぞかせた、燃えるような
緋
(
ひ
)
の帯上げのほかは
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
崔は形見として、
玳瑁
(
たいまい
)
のかんざしを女に贈った。女は玉の指輪を男に贈った。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
平次は小首を傾げて、
虐
(
むご
)
たらしい殺されやうをした女の頭を見詰めて居ります。其處には、不思議に落ち散りもせず
玳瑁
(
たいまい
)
の
櫛
(
くし
)
と、
珊瑚
(
さんご
)
の五分玉に細い金足をすげた
簪
(
かんざし
)
がもう一本あつたのです。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
天女も
五衰
(
ごすい
)
ぞかし、
玳瑁
(
たいまい
)
の
櫛
(
くし
)
、真珠の
根掛
(
ねがけ
)
いつか無くなりては
華鬘
(
けまん
)
の美しかりける
俤
(
おもかげ
)
とどまらず、身だしなみ
懶
(
ものう
)
くて、光ると云われし
色艶
(
いろつや
)
屈托
(
くったく
)
に曇り、好みの
衣裳
(
いしょう
)
数々彼に取られ
是
(
これ
)
に
易
(
か
)
えては
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼の家には、昔その祖先の一人がカヤンガル島を討った時敵の大将を唯の一突きに仕留めたという
誉
(
ほま
)
れの投槍が蔵されている。彼の所有する
珠貨
(
ウドウド
)
は、
玳瑁
(
たいまい
)
が浜辺で一度に産みつける卵の数ほど多い。
南島譚:01 幸福
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
珠玉、金銀、織物、陶器、
犀角
(
さいかく
)
、
玳瑁
(
たいまい
)
、
翡翠
(
ひすい
)
、
珊瑚
(
さんご
)
、
孔雀
(
くじゃく
)
、
闘鴨
(
とうおう
)
、
鳴鶏
(
めいけい
)
、世の七宝百珍にあらざる物はない。そしてそれは
金鞍
(
きんあん
)
の白馬百頭の背に美しく積まれて、江岸の客船まで送りとどけられた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
髪飾りなどは銀や
玳瑁
(
たいまい
)
でございました。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『
玳瑁
(
たいまい
)
といふでねヱかナ』
鴉と正覚坊
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
玳瑁
(
たいまい
)
を
焚
(
た
)
きて
潮
(
うしほ
)
煮
(
に
)
たる。
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
玳瑁
(
たいまい
)
はふたつ重なる。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
玳瑁
(
たいまい
)
の櫛を出して問い詰めると、辰はすぐさま頭を掻いて、じつは誠に申訳ないが、年の暮れのある晩
稼業
(
しょうばい
)
の
帰途
(
かえり
)
に、
筋交
(
すじかい
)
御門の青山
下野守
(
しもつけのかみ
)
様の邸横で拾ったのだが
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
珠や
玳瑁
(
たいまい
)
で作られた大きい盤の上には、魚の
鰭
(
ひれ
)
や獣の
股
(
もも
)
が山のように積まれてあった。長夜の宴に酔っている王の眼には、酒の池も肉の林ももうはっきりとは見分けがつかないらしかった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
平次は小首を傾けて、
虐
(
むご
)
たらしい殺されようをした女の頭を見詰めております。そこには、不思議に落ち散りもせず
玳瑁
(
たいまい
)
の
櫛
(
くし
)
と、
珊瑚
(
さんご
)
の五分玉に細い金足をすげた
釵
(
かんざし
)
がもう一本あったのです。
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
繻珍
(
しゅちん
)
の帯にお召の着物、
玳瑁
(
たいまい
)
の
櫛
(
くし
)
にギヤマンのかんざし、さんごの
帯留
(
おびどめ
)
に
鹿
(
か
)
の子の
帯揚
(
おびあげ
)
、そして
蒔絵
(
まきえ
)
の下駄を
穿
(
は
)
かせて、塗りのお
駕
(
かご
)
に男芸者をたくさん付けて、
堺町
(
さかいまち
)
の勘三郎芝居へ連れて行って頂戴
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
麗
(
うつ
)
くしき
玳瑁
(
たいまい
)
の
雄
(
を
)
は
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ええと、何だって?——木地を塗りて
玳瑁
(
たいまい
)
あるいは
大理石
(
マルメル
)
の観をなさしむる法、とくらあ。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
玳瑁
(
たいまい
)
は
幸福
(
しあはせ
)
に住む。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
上り
框
(
がまち
)
へ腰を下ろしながら見ると、上り際の縁板の上へ出して、畳から高さ一尺ほどの
紫檀
(
したん
)
の台が置いてあって、
玳瑁
(
たいまい
)
の櫛や
翡翠
(
ひすい
)
象牙
(
ぞうげ
)
水晶
(
すいしょう
)
瑪瑙
(
めのう
)
をはじめ、金銀の細工物など、値の張った
流行
(
はやり
)
の品が
早耳三次捕物聞書:02 うし紅珊瑚
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“玳瑁”の意味
《名詞》
玳瑁(タイマイ)
亀の一種、タイマイ。
(出典:Wiktionary)
“玳瑁(タイマイ)”の解説
タイマイ(玳瑁、瑇瑁、Eretmochelys imbricata)は、爬虫綱カメ目ウミガメ科タイマイ属に分類されるカメ。本種のみでタイマイ属を構成する(単型)。
(出典:Wikipedia)
玳
漢検1級
部首:⽟
9画
瑁
漢検1級
部首:⽟
13画