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煙管
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パイプ
ふりがな文庫
“
煙管
(
パイプ
)” の例文
そして、持っていた
煙管
(
パイプ
)
の
羅宇
(
らう
)
で燻っている洋灯の心を直しながら(もう夜になっていたので、)再びその煙管を口へ持って行った。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
失礼ですが、そいつは偏見というものですよ、私にいわせると、
寧
(
むし
)
ろ、
煙管
(
パイプ
)
たばこは
嗅
(
かぎ
)
煙草などよりずっと身体に良いくらいですよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「いいじゃないか、マジャルドー、そんなわずかな金くらいのことは!」と、私はニヤニヤしながら
煙管
(
パイプ
)
を磨いていたのであった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
汽車が次の停車場に着くと、肥つた男が一人乗込んで、カアネギイの向ひに腰を据ゑるなり、汚れた
煙管
(
パイプ
)
を取り出してぱつと火を
点
(
つ
)
けた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
手ごろの
煙管
(
パイプ
)
で煙草を
喫
(
の
)
み、それから内緒の樂しみに
黒麥酒
(
くろビール
)
の
容器
(
いれもの
)
を持つて、自分の陰氣な階上の住場處へと歸つて行くのが常であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
それがマドロス
煙管
(
パイプ
)
を横一文字にギューと
啣
(
くわ
)
えたまま、
船橋
(
ブリッジ
)
の
欄干
(
てすり
)
に両
肱
(
ひじ
)
を
凭
(
も
)
たせて、青い青い空の下を凝視しているんだ。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
単に
蒐集狂
(
しゅうしゅうきょう
)
という点から見れば、此
煙管
(
パイプ
)
を飾る人も、
盃
(
さかずき
)
を寄せる人も、
瓢箪
(
ひょうたん
)
を
溜
(
た
)
める人も、皆同じ興味に
駆
(
か
)
られるので、同種類のもののうちで
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
林檎
(
りんご
)
の様に赤い顔をして大きな
煙管
(
パイプ
)
を
啣
(
くは
)
へて離さず、よく食ひ、よく語り、よく運動する元気のいい爺さんである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その恐るべき光こそ、プロメテウスの
炬火
(
たいまつ
)
からカンブロンヌの
煙管
(
パイプ
)
に伝わってゆくところのものである。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
だけど、もし
煙管
(
パイプ
)
を吸わなかったら、もっと、それこそ、ほかの誰よりも好きなんだがなあ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
読み終ったフレデリック・コウツは、銜えていた
煙管
(
パイプ
)
をとって、ぷうと煙りを吹いた。
斧を持った夫人の像
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
西宮はさぴたの
煙管
(
パイプ
)
を拭いながら、
戦
(
ふる
)
える吉里の島田髷を見つめて術なそうだ。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
親父
(
おやぢ
)
といふは
煙管
(
パイプ
)
の
旋盤細工
(
ろくろざいく
)
を
業
(
げふ
)
として居る
者
(
もの
)
で、
鷄
(
とり
)
の
鳴
(
な
)
く時から日の
晩
(
くれ
)
るまで
旋盤
(
ろくろ
)
の
前
(
まへ
)
を
動
(
うご
)
いたことのない程の、ブリダア
市
(
まち
)
では
珍
(
めづ
)
らしい
稼人
(
かせぎにん
)
であるから、
兒童
(
こども
)
の
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
を
承知
(
しようち
)
する
筈
(
はず
)
もない。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ひつきりなしに煙草の煙を頬に詰めこんでゐた
蒸溜人
(
こして
)
が、例の短かい
煙管
(
パイプ
)
を口から離すなり、ぱつと煙の雲を吐き出してから、言つた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
その折ある地方で、
皮膚
(
はだ
)
の赤茶けた土人が、
地面
(
ぢべた
)
に
蹲踞
(
はひつくば
)
つて
玉蜀黍
(
たうもろこし
)
の
煙管
(
パイプ
)
で
脂
(
やに
)
くさい煙草をすぱすぱやつてゐるのを見かけた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
マドロス
煙管
(
パイプ
)
をギュウと
引啣
(
ひっくわ
)
えた横一文字の口が、旧式軍艦の
衝角
(
しょうかく
)
みたいな
巨大
(
おおき
)
な
顎
(
あご
)
と
一所
(
いっしょ
)
に、鋼鉄の
噛締機
(
バイト
)
そっくりの頑固な根性を
露出
(
むきだ
)
している。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
西洋では
煙管
(
パイプ
)
に好みを
有
(
も
)
って、大小長短色々
取
(
と
)
り
交
(
ま
)
ぜた一組を
綺麗
(
きれい
)
に
暖炉
(
だんろ
)
の上などに並べて愉快がる人がある。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お前方は一番好い場所で出会ったのさ」と、老ジョーは口から
煙管
(
パイプ
)
を離しながら云った。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
とある
矮
(
ひく
)
い石垣の上に腰を掛けた九
里
(
り
)
は大きな
煙管
(
パイプ
)
を
啣
(
くは
)
へて
快
(
こゝろよ
)
さ
相
(
さう
)
に
燐寸
(
マツチ
)
を擦つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と紳士は、
肥
(
ふと
)
った
煙管
(
パイプ
)
の手を挙げて、例の犬に
咆
(
ほ
)
えられた山を、指さしました。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
また庭をとおって戻って来ると、ばったりノズドゥリョフに出会った。この男もやはり寝巻のままで、
煙管
(
パイプ
)
をくわえていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
でも次の停車場へ来ると、肥つた男は
煙管
(
パイプ
)
を
啣
(
くは
)
へた儘
碌
(
ろく
)
に挨拶もせず
他
(
ほか
)
の
客車
(
はこ
)
へ移つて往つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この男が長い
煙管
(
パイプ
)
を手に持って、茶碗からお茶を啜っている恰好は、
理髪店
(
とこや
)
の看板みたいに髪をぴったり撫でつけたり、きれいにウエーヴをかけた紳士や
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
薄羅紗の
長上衣
(
スヰートカ
)
のうへから銀絲で刺繍をした帯をしめ、口に
煙管
(
パイプ
)
をくはへたまま、女たちにむかつて媚びるやうな踊り方をしながら、ときどき
戯口
(
ざれぐち
)
をきいた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
数々の美質を具へたが上にも多分の好奇心に恵まれてゐた
蒸溜人
(
こして
)
は、すばやく
煙管
(
パイプ
)
に煙草を詰めるなり、
戸外
(
そと
)
へ駈け出したが、わるさ連は逸速く逃げ去つたあとであつた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
片手には美しい象眼いりの
煙管
(
パイプ
)
を持たせたものなら、とてもとても当時の若者といふ若者などは、その足もとへもよりつかれたものではなからうなどと、言ひそやしてゐた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
短かい
煙管
(
パイプ
)
をスパスパ吸ふのが、いかにも満足らしく、絶えず眼をにこにこさせてゐる。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
この老人は
酒杯
(
さかづき
)
を頭にのつけて、
四絃琴
(
バンドゥーラ
)
を手にすると、
煙管
(
パイプ
)
をすぱすぱやりながら、歌を口ずさみ口ずさみ、ぞめき連のやんやといふ喝采につれて、しやがみ踊りをおつぱじめたものだ。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
踵までもとどく銅の鎖の先につけた
煙管
(
パイプ
)
を吊つてゐる——てつきり、ザポロージェ人なのぢや! ザポロージェ人といへば、実に素晴らしいものでな! 立ちあがつてシャンと
躯
(
からだ
)
を伸ばすと
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
甚だ勝手なことを申すやうぢやが、どうか悪く思はんで頂きたい——かうしてわしは
煙管
(
パイプ
)
を持つてをるにはをるけれど、生憎と、これに、その、火をつけるべき物の持ちあはせがないのぢやが。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
“煙管”の意味
《名詞》
キセル。
ボイラーの火を通過させるための管。
(出典:Wiktionary)
“煙管”の解説
煙管(きせる)とは、日本の刻みたばこ用の喫煙具の一種で、パイプに類似する。
(出典:Wikipedia)
煙
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
管
常用漢字
小4
部首:⽵
14画
“煙管”で始まる語句
煙管筒
煙管入
煙管屋
煙管貝
煙管気狂