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混血児
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あいのこ
ふりがな文庫
“
混血児
(
あいのこ
)” の例文
旧字:
混血兒
混血児
(
あいのこ
)
め、そんなつもりならキングだけじゃァ済まねえぞ、とかなんとか吐かしながら、まるで半狂人のようになって飛び出して行った。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
どこを毎日遊んで廻るのか、不良少女の
混血児
(
あいのこ
)
お
蝶
(
ちょう
)
は、派手に着かざった身なりをして、相変らず二
官
(
かん
)
に口実をもうけては出歩いている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
立派な日本人ですが、さすがに
混血児
(
あいのこ
)
の父親だけあって、海外生活でも送った人らしく人を
逸
(
そら
)
さぬゆったりとした応対でした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
何んとなく
混血児
(
あいのこ
)
ではないかと思わせる節がないではありませんが、全体の印象が何んとなく端麗で、宗教的な美しさを持って居るのも不思議です。
呪の金剛石
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小鉄を
混血児
(
あいのこ
)
だなんていったのは、あながちに人の悪口ばかりでもありません。小鉄は実際英国人と日本人とのあいだに生まれた女であったんです。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
生れた仔猫たちは
混血児
(
あいのこ
)
で、鼈甲猫の
俤
(
おもかげ
)
を幾分か備へてゐるものだから、割合に希望者が多かつたけれども、時にはそうつと海岸へ持つて行つたり
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ブリオシユは、カステラとパンの
混血児
(
あいのこ
)
みたいな菓子だが、舌ざわりは天下一品である。マロン・グラアセは栗の砂糖漬で、日本の甘納豆に当るだらう。
甘い話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
早よう云うてみたなら
詐欺
(
インチキ
)
と
盗人
(
ぬすと
)
の
混血児
(
あいのこ
)
だすなあ。商売の中でも一番商売らしい商売かも知れませんが……。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
届書
(
とどけしょ
)
を出す時、種類という下へ
混血児
(
あいのこ
)
と書いたり、色という字の下へ
赤斑
(
あかまだら
)
と書いた
滑稽
(
こっけい
)
も
微
(
かす
)
かに胸に浮んだ。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、身なりはちゃんとしていますから、どこか相当な家の奥さんでしょう。のみならず二三度見かけたところではどこかちょっと
混血児
(
あいのこ
)
じみた、
輪廓
(
りんかく
)
の正しい顔をしています。
手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
回鶻人の後裔達は——
土耳古
(
トルコ
)
人との
混血児
(
あいのこ
)
だが——燐光を纒った狛犬を彼らの神の本尊とし、狛犬を祭った神殿に対し、もしも無礼を加えたものは恐ろしい神罰を
蒙
(
こう
)
むるだろうと
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二人の男は、たしか支那人らしいが、もう一人は、洋装した
混血児
(
あいのこ
)
のような女だった。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
海豹
(
あざらし
)
と
海象
(
ウォーラス
)
の
混血児
(
あいのこ
)
だ。学名を“Orca
Lupinum
(
オルカ・ルピヌム
)
”といって、じつに
稀
(
まれ
)
に出る。その狂暴さ加減は学名の訳語のとおり、まさに『鯨狼』という名がぴたりと来るようなやつ。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「うまく云ってらあ。君の子供だろう。
混血児
(
あいのこ
)
は……早いって云うからな。」
黒点:――或る青年の「回想記」の一節――
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そうでなければ印度とそれに近い他人種との
混血児
(
あいのこ
)
に相違ない。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの
蝦
(
えび
)
と蜘蛛の
混血児
(
あいのこ
)
みたいなやつさ
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
玄関へ出て見ると、
混血児
(
あいのこ
)
らしい顔をした廿五六の青年が、火のついた巻煙草をじだらくに口にくわえたまま、入口の
扉
(
ドア
)
にもたれて立っていた。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
生れた仔猫たちは
混血児
(
あいのこ
)
で、鼈甲猫の
俤
(
おもかげ
)
を幾分か備へてゐるものだから、割合に希望者が多かつたけれども、時にはそうつと海岸へ持つて行つたり
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
九州のこうこういうところで知り合った
混血児
(
あいのこ
)
の娘と、結婚したいなぞといい出したら、母なぞはびっくりして、眼を回してしまうかも知れません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あどけない笑顔を近づけて、
伽羅油
(
きゃらゆ
)
のにおいに馬春堂を
咽
(
む
)
せさせたのは、獄門橋で見た時とはまるで違って、いかにもおぼこらしい、
混血児
(
あいのこ
)
のお蝶であります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最近ラッドレー附近の一種馬場に於て飼育せられし一
牝馬
(
ひんば
)
は、今より三年以前に見世物用の
斑馬
(
はんば
)
と交尾して一匹の
混血児
(
あいのこ
)
を生み、飼主をして奇利を博せしめし事あり。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この二つの小さな
瑕
(
きず
)
を見つけ出して、神奈川生まれだけにおそらく
混血児
(
あいのこ
)
だろうなどと悪口をいう客もあったが、それとても別に取り留めた証拠があるのではなかった。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それじゃ善と悪の
混血児
(
あいのこ
)
はというとほとんど出て来ないんだから、
至極
(
しごく
)
単簡
(
たんかん
)
で重宝であります。こう云う訳で一家町内芝居へ出てくるような善人で成り立っていたのであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一人は眼の鋭い毛の赤い、
羆
(
ひぐま
)
のような感じのする若い男、一人は東洋人との
混血児
(
あいのこ
)
らしい、栗色の髪で額を隠し、宝石をうんと
彫
(
ちりば
)
めたギラギラする洋服を着た、妖婦型の若い婦人です。
天才兄妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
混血児
(
あいのこ
)
らしい女も、いつの間にか逃げ出していて捕えることが出来なかった。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
そして可哀そうに大病だ。しかも病気は神経病だ。脅迫観念に捉らわれている。それから女中に逢って見ると、一見
土耳古
(
トルコ
)
の女だけれど支那人のようなところもある。しかしどのみち
混血児
(
あいのこ
)
だ。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「さあね。……しかし
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
この人は
混血児
(
あいのこ
)
だったかも知れないね。」
蜃気楼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
カフェーで
混血児
(
あいのこ
)
と綽名されてるそうだった。
黒点:――或る青年の「回想記」の一節――
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「東水の尾の
混血児
(
あいのこ
)
娘たちア、何であんなところにいつまでもこびり付いてるんだろうなア、一匹売り、二匹売り……もう馬だって一匹しか残ってやしねえや!」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
呂宋兵衛は、まえにもいったとおり、
南蛮
(
なんばん
)
の
混血児
(
あいのこ
)
でキリシタンの
妖法
(
ようほう
)
を
修
(
しゅう
)
する者であるから、
層雲
(
そううん
)
くずれの
祈祷
(
きとう
)
も、じぶんが信じる
異邦
(
いほう
)
の式でゆくつもりらしい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「似ているかどうか分らないけれど、でもみんなが私のことを
混血児
(
あいのこ
)
みたいだってそう云うわよ」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
両方の肱や膝は大きく破れたり泥まみれになったりして、ボタンが二つ程ちぎれて、カラーが右の肩にブラ下っている姿は
恰度
(
ちょうど
)
、
酔漢
(
よいどれ
)
と乞食との
混血児
(
あいのこ
)
を見るようである。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
丸く
熟
(
じゅく
)
した、温室のメロンのような円満な日日を送っているふうだったが、そのころ、山川が、
混血児
(
あいのこ
)
じみた若い娘と、お茶の水の焼跡を歩いているのを見たというものがあった。
蝶の絵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
かれは、
和田門兵衛
(
わだもんべえ
)
という、長崎からこの土地へ流れてきた
南蛮
(
なんばん
)
の
混血児
(
あいのこ
)
であった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紐育の中央郵便局に居りましたのはその途中で逃げ出していた時分の事で、
頭髪
(
かみ
)
を酸化水素で赤く縮らして、
黒
(
くろ
)
ん
坊
(
ぼ
)
香水
(
こうすい
)
を
身体
(
からだ
)
に振りかけて、白人と黒人の
混血児
(
あいのこ
)
に化けていたのです。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
相手は
何処
(
どこ
)
の猫か分らなかったが、生れた仔猫たちは
混血児
(
あいのこ
)
で、
鼈甲
(
べっこう
)
猫の
俤
(
おもかげ
)
を幾分か備えているものだから、割合に希望者が多かったけれども、時にはそうっと海岸へ持って行ったり
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
保儀使
(
ほぎし
)
といえば軍人でも佐官に過ぎない。のみならずこの
宣賛
(
せんさん
)
は、
西蕃
(
せいばん
)
との
混血児
(
あいのこ
)
である。ヒゲは赤く、ちぢれ毛で、
鍋底
(
なべぞこ
)
のような顔にまた念入りにも雄大なる獅子ッ鼻ときている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だって、帝劇の女優だって云う話じゃないか。………え、そうじゃないのか、活動の女優だと云う
噂
(
うわさ
)
もあるし、
混血児
(
あいのこ
)
だと云う説もあるんだが、その女の巣を云い給え。云わなけりゃ帰さんよ」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
唇を噛み、黒髪を乱し、かれの背後から組みついているのは
混血児
(
あいのこ
)
のお蝶。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうさ、まだあたしの方が
混血児
(
あいのこ
)
のように見えるわよ」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ヤ、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
は
混血児
(
あいのこ
)
だ。京都の
南蛮寺
(
なんばんじ
)
にいるバテレンとそっくり……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「トム? ……
混血児
(
あいのこ
)
かい」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
混
常用漢字
小5
部首:⽔
11画
血
常用漢字
小3
部首:⾎
6画
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“混血”で始まる語句
混血種
混血
混血兒
混血娘
混血人
混血面