水難すゐなん)” の例文
山々の雪は里地さとちよりもきゆる㕝おそけれども、春陽しゆんやう天然てんねんにつれて雪解ゆきげに水まして川々に水難すゐなんうれひある事年々なり。
召替られ御歸洛きらく有しはまことに危き御ことなり然らば御同勢中水中に落入し者凡廿人ばかりにして此日彼の所化しよけ願山ぐわんざんも日野家へやとはれ醫師の代を勤め大納言殿の御供にれつせしがうんよく水難すゐなん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
してまたふねかへれば生命いのちおとさうかとふ、心配しんぱいかな。いやつまらぬ心配しんぱいぢや。おまへさんはなにか(人相見にんさうみ)に、水難すゐなんさうがあるとでもはれたことがありますかい。まづ/\きなさい。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山々の雪は里地さとちよりもきゆる㕝おそけれども、春陽しゆんやう天然てんねんにつれて雪解ゆきげに水まして川々に水難すゐなんうれひある事年々なり。
如何いかんとなれば、乘客等じようかくらしかころしてじんさむとせし、この大聖人だいせいじんとく宏大くわうだいなる、てん報酬はうしうとしてかれ水難すゐなんあたふべき理由いはれのあらざるをだんじ、かゝ聖僧せいそうともにあるものは、この結縁けちえんりて
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
燒失ひ其上旱損かんそん昨年は水難すゐなんにて段々だん/\年貢未進に相成候處當年は是非ぜひ皆納かいなふ致し候樣村役人衆より嚴敷きびしき沙汰さたに候得共種々しゆ/″\打續ての災難さいなんゆゑ當惑致し居候處娘文事孝心により身を賣其金子にて年貢ねんぐ不足ふそく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
駅中えきちゆうは人の往来ゆきゝために雪をふみへしてひくきゆゑ、流水りうすゐみなぎきたなほあぶれて人家に入り、水難すゐなんふ事まへにいへるがごとし。いく百人の力をつくして水道すゐだうをひらかざれば、家財かざいながあるひ溺死できしにおよぶもあり。