氣持きも)” の例文
新字:気持
ことにどもらしい氣持きもちをうた自由じゆうみこんだひとで、そんなのになると、つい/\よいわるいをわすれて、同感どうかんせずにゐられません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
たいていの部屋へやには氣持きもちのよい長椅子ながいすいてあつて、見物人けんぶつにんはゆっくりとこしおろしてうつくしいたり、彫刻ちようこくをたのしんでながめたりすることが出來でき
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
自分じぶんいへうまれた子供こどもでもなく、むかしやまつけたのをやしなつただけのことでありますから、氣持きもちも世間せけん普通ふつうひととはちがつてをりますので、殘念ざんねんではございますが……
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
其故それゆゑ著者等ちよしやら地震學ぢしんがくもつ世界せかいほこらうなどとはおもつてゐないのみならず、此頃このごろのように、わが國民こくみん繰返くりかへ地震ぢしん征服せいふくせられてみると、むしはづかしいような氣持きもちもする。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ある地方ちはう郡立病院ぐんりつびやうゐんに、長年ながねん看護婦長かんごふちやうをつとめてるもとめは、今日けふにち時間じかんからはなたれると、きふこゝろからだたるんでしまつたやうな氣持きもちで、れて廊下らうかしづかにあるいてゐた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
こつなはなんともこたへなかつたが、いやいやでたまらないこの土地とちなまぬるい、齒切はぎれのわるい人間にんげんをこツぴどくやつけてくれた殿樣とのさま小氣味こきみのよい言葉ことばが、氣持きもちよくみゝあなながんで
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
とおもふはなどいふ調子ちようしは、いかにもくらしかねてゐる退たいくつなひとのあくびでもしたいような氣持きもちがてゐるとおもひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
さうしてあたらしいとはいひながら、やはらかでおだやかなよい氣持きもちをやぶらないで、上品じようひんさをちながらうたはれてあるのが、このうたなどのよいところです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)