“死刑（しけい）” の例文
曲（まが）つた社會（しやくわい）の正當防衞（せいたうばうゑい）、腐（くさ）つた世（よ）の中（なか）の大清潔法（だいせいけつはふ）、それらを完全（くわんぜん）に近（ちか）く執行（しつかう）するには、死刑（しけい）を多（おほ）く利用（りよう）するよりほかにないと考（かんが）へた。
死刑 (旧字旧仮名) ／ 上司小剣(著)
まさか死刑（しけい）にはなりますまいが終身懲役だってそんないいもんじゃありませんよ。どうです。今のうち懺悔（ざんげ）してやめてしまっては。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) ／ 宮沢賢治(著)
女王樣（ぢよわうさま）の論據（ろんきよ）は斯（か）うでした、若（も）し何事（なにごと）にせよ、全（まつた）く時間（じかん）を要（えう）せずして成（な）し了（を）うせられなかつたなら、所有（あらゆる）周圍（しうゐ）の誰（たれ）でもを死刑（しけい）に處（しよ）する。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) ／ ルイス・キャロル(著)
もし、子どもが、りんごを取れば、無罪（むざい）にしてやるし、銀貨のほうを取ったら、死刑（しけい）にするがよいと、うまいちえをだしました。
子どもたちが屠殺ごっこをした話 (新字新仮名) ／ ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム(著)
わたしは、つんつるてんの短い上着を着たまま、じっとそこに突（つ）っ立（た）って、死刑（しけい）を言い渡（わた）された囚人（しゅうじん）よろしくのていで床（ゆか）を見つめていた。
はつ恋 (新字新仮名) ／ イワン・ツルゲーネフ(著)
家のうちに、一本のつむをしまっておくことすら、してはならぬ。それにそむいたものは死刑（しけい）にすると、きびしくおいいわたしになりました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) ／ シャルル・ペロー(著)
死刑（しけい）になりましても、けっしておうらみはいたしません。けれども、わたくしのいのちも、もうながくはございません。
福沢諭吉：ペンは剣よりも強し (新字新仮名) ／ 高山毅(著)
とおっしゃって、ぐんぐんおいじめつけになったうえ、ようしゃなくすぐ死刑（しけい）に行なわせておしまいになりました。
古事記物語 (新字新仮名) ／ 鈴木三重吉(著)
いろいろとわるいことをお妃（きさき）さまのせいにしますので、とうとう、王さまもいいまかされてしまって、お妃さまに死刑（しけい）をいいわたしました。
十二人兄弟 (新字新仮名) ／ ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム(著)
『ソレ、あの女王樣（ぢよわうさま）サ』とグリフォンが云（い）ひました。『みんな女王樣（ぢよわうさま）の空想（くうさう）だ、どうして一人（ひとり）でも死刑（しけい）に出來（でき）るものか。ねえ。お出（い）でよ！』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) ／ ルイス・キャロル(著)
彼（か）れはかね／″＼書物（しよもつ）を讀（よ）んで、磔刑（はりつけ）、獄門（ごくもん）、打首（うちくび）、それらの死刑（しけい）が決（けつ）して、刑罰（けいばつ）でないといふことを考（かんが）へてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) ／ 上司小剣(著)
榎本（えのもと）という男（おとこ）は、たいへんなさわぎをやったのだから、死刑（しけい）になっても、しかたがないのだけれども、一どいのちをとれば、あとからどうすることもできない。
福沢諭吉：ペンは剣よりも強し (新字新仮名) ／ 高山毅(著)
もし千本集まらなかったらすぐ警察へ訴（うった）えるぞ。貴様らはみんな死刑（しけい）になるぞ。その太い首をスポンと切られるぞ。首が太いからスポンとはいかない、シュッポォンと切られるぞ。
カイロ団長 (新字新仮名) ／ 宮沢賢治(著)
つぎに天皇は、昔（むかし）お兄上とお二人で大和（やまと）からお逃（に）げになる途中で、おべんとうを奪（うば）い取った、あのしし飼（かい）の老人をおさがし出しになって大和（やまと）の飛鳥川（あすかがわ）の川原（かわら）で死刑（しけい）にお行ないになりました。
古事記物語 (新字新仮名) ／ 鈴木三重吉(著)
『さア、それは好（い）い鹽梅（あんばい）だ！』と愛（あい）ちやんは獨語（ひとりごと）を云（い）ひました、女王樣（ぢよわうさま）が宣告（せんこく）された死刑（しけい）の人々（ひと／″＼）を、如何（いか）にも氣（き）の毒（どく）に思（おも）つてた所（ところ）でしたから。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) ／ ルイス・キャロル(著)
そして、ご相談役の人たちに、こんご二度とそんなことをもうすと、死刑（しけい）にいたすぞ、ときびしくいいわたしました。
マリアの子ども (新字新仮名) ／ ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム(著)
但馬守（たじまのかみ）は莞爾（くわんじ）と笑（わら）つて、百（ひやく）の宗教（しうけう）、千（せん）の道徳（だうとく）も、一（ひと）つの死刑（しけい）といふものには敵（かな）はない、これほど效果（かうくわ）の多（おほ）いものは他（た）に求（もと）むることが出來（でき）ないと思（おも）つた。
死刑 (旧字旧仮名) ／ 上司小剣(著)
さて署長さんは縛（しば）られて、裁判にかかり死刑（しけい）ということにきまりました。
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) ／ 宮沢賢治(著)
若者はすっかりしょげかえって、夜あけに死刑（しけい）の場所（ばしょ）へひかれていくのを待（ま）っていました。
白ヘビ (新字新仮名) ／ ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム(著)