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接木
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つぎき
ふりがな文庫
“
接木
(
つぎき
)” の例文
接木
(
つぎき
)
の古株を見るように、むかし、うまや路で見かけたとでもいう青楼の、面影をいま
茲
(
ここ
)
に顧られるかのような店附を遺した家もございます。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
あなたのクズレた甘さときては、全然不手際な
接木
(
つぎき
)
のように、だしぬけに猫の鳴声のような甘え方を見せるのだ。
三十歳
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
一ブッシェルでも大したお
金
(
かね
)
になろうというような林檎でした! しかし、この広い世界にも、その林檎から
接木
(
つぎき
)
した木は一本だってないだろうと思います。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「それ聞いて、安心した。——如何せん、わしははや老木、わしの
接木
(
つぎき
)
となって、御奉公を尽してくれよ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丁度
(
ちやうど
)
それは
子孫
(
しそん
)
の
繁殖
(
はんしよく
)
と
自己
(
じこ
)
の
防禦
(
ばうぎよ
)
との
必要
(
ひつえう
)
を
全
(
まつた
)
く
忘
(
わす
)
れさせられた
梨
(
なし
)
の
接木
(
つぎき
)
が、
大
(
おほ
)
きな
刺
(
とげ
)
を
幹
(
みき
)
にも
枝
(
えだ
)
にも
持
(
も
)
たなく
成
(
な
)
つたやうに、
恐怖
(
おそれ
)
が
彼等
(
かれら
)
を
去
(
さ
)
つたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
加之
(
のみならず
)
何事にも器用な人で、
割烹
(
れうり
)
の心得もあれば、植木
弄
(
いじ
)
りも好き、義太夫と
接木
(
つぎき
)
が
巧者
(
じやうず
)
で、或時は白井様の子供衆のために、
大奉
(
だいほう
)
八枚張の
大紙鳶
(
おほたこ
)
を拵へた事もあつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一種の病的な
瘤
(
こぶ
)
であり、一群の植物を生じた不健全な
接木
(
つぎき
)
であり、古いゴールの幹のうちに根をおろし言語の方面にすごい枝葉をひろげてる、一つの寄生植物である。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
全く科学的に考慮された
接木
(
つぎき
)
をして、豊かな結実を可能にする方法ではなかろうか。
よもの眺め
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
何のせいか
渾身
(
こんしん
)
に喜びが溢れてくる。私はどこの誰れとも知らない彼らみんなの幸福を心のしん底から祈らずにはいられない気持になった。
接木
(
つぎき
)
をしたとかいう老桜よ、若返ってくれ。
祇園の枝垂桜
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
その台木がよしや
柚子
(
ゆず
)
であっても、橙であっても、
枳殻
(
からたち
)
であっても、それは深く問うところではない。
斉
(
ひと
)
しく
温州
(
うんしゅう
)
蜜柑を以てこれに
接木
(
つぎき
)
したならば、ことごとく温州蜜柑の甘美な果実を結ぶ。
「日本民族」とは何ぞや:日本民族の概念を論ず
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
自分で動かさうと思つて動かしたのではないけれど、
押石
(
おもし
)
をとれば
接木
(
つぎき
)
の枝が
刎
(
は
)
ねかへる様に、俺の感情も押石の理智が除かれたから、
自
(
おのづか
)
ら刎ねかへつて、その
恣
(
ほしいまま
)
な活動を起して来たのである。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
彼等の椅子の、黒い大きい骨組に
接木
(
つぎき
)
したのでありました。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
郷を辞し弟に
負
(
そむい
)
て身
三春
(
さんしゅん
)
本をわすれ末を
取
(
とる
)
接木
(
つぎき
)
の梅
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
生きて世に
接木
(
つぎき
)
上手とほめられき 紫牛
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
老僧の理窟いはるゝ
接木
(
つぎき
)
かな 重就
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
本
(
もと
)
を忘れ末を取る
接木
(
つぎき
)
の梅
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
林檎の
嫩枝
(
わかえだ
)
を
接木
(
つぎき
)
した
一枝について
(新字旧仮名)
/
金鍾漢
(著)
『犯罪論』は『法の精神』の上に
接木
(
つぎき
)
されたものである。モンテスキューはベッカリアを生んだ。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
又六も、左の手を負傷して、肱のつがいを、
接木
(
つぎき
)
のようにボロでまいていた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本
(
もと
)
をわすれ末を
取
(
とる
)
接木
(
つぎき
)
の梅
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
結婚は一つの
接木
(
つぎき
)
である。うまくもゆけば、まずくもゆく。そういう危険は避けるがよい。しかし、つまらぬことを僕は言い出したものだ。言葉をむだにするばかりだ。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
蓋
(
ふた
)
を取るようにパリー市を取り去ったと想像すれば、
鳥瞰的
(
ちょうかんてき
)
に見らるる下水道の地下の網目は、セーヌ川に
接木
(
つぎき
)
した大きな木の枝のようにその両岸に現われてくるだろう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼は相変わらず
接木
(
つぎき
)
をしたり、草を取ったり、
瓜畑
(
うりばたけ
)
に
覆
(
おお
)
いをしてやったりして、自分のすぐれたことや
聖
(
きよ
)
いことは少しも知らなかった。彼は自分の光栄については夢にも気づかなかった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼らは賢者のような態度をとった。絶対過激なる主義に一つの穏和なる権力を
接木
(
つぎき
)
しようとした。破壊的自由主義に保守的自由主義を対立させ、しかも時としては珍しい
怜悧
(
れいり
)
さをもってそれをした。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
まず
娼婦
(
しょうふ
)
が土方女に
接木
(
つぎき
)
してできたというくらいのところだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“接木(接ぎ木)”の解説
接ぎ木(つぎき)とは、2個以上の植物体を、人為的に作った切断面で接着して、1つの個体とすることである。このとき、上部にする植物体を穂木(接穂、継穂、ほぎ、つぎほ)、下部にする植物体を台木という。
通常、遺伝的に異なる部分から構成されている個体を作る技術として用いられるが、穂木の増産・入れ替え、根の病害虫対策、狭い果樹園での受粉、果樹等の育種年限の短縮化、げっ歯類などから受けた傷の治療、接木キメラの育成などの目的で行われる場合もある。
(出典:Wikipedia)
接
常用漢字
小5
部首:⼿
11画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“接”で始まる語句
接吻
接
接近
接穂
接骨木
接唇
接待
接目
接触
接続