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こころがけ
ふりがな文庫
“
心懸
(
こころがけ
)” の例文
何、米にかねがね聞いている、婆さんお前は
心懸
(
こころがけ
)
の
良
(
い
)
いものだというから、滅多に人にも話されない事だけれども、見せて上げよう。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
心懸
(
こころがけ
)
の
良
(
よ
)
くない
女子
(
おなご
)
の
臨終
(
りんじゅう
)
の
通報
(
しらせ
)
が、どうして
姫
(
ひい
)
さまのお
許
(
もと
)
にとどく
筈
(
はず
)
がございましょう。
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
皆
(
みな
)
私
(
わたくし
)
が
悪
(
わる
)
かった
為
(
た
)
めでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ご馬前にさき駈けして、はなばなしくたたかうも武士のほんぶんではある、けれどもそれは、今そのほうが申したような
心懸
(
こころがけ
)
ではかなわぬことだ。
死処
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
月日たつにつれ自然
出家
(
しゅっけ
)
の念願起り
来
(
きた
)
り、十七歳の春
剃髪
(
ていはつ
)
致し、宗学
修業
(
しゅぎょう
)
専念に
心懸
(
こころがけ
)
候
間
(
あいだ
)
、寮主雲石殿も末
頼母
(
たのも
)
しき者に
思召
(
おぼしめ
)
され、
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
深切
(
しんせつ
)
に御指南なし下され候処
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
鷹
(
たか
)
ヶ
峰
(
みね
)
で手放されてから、そのまま父と相会わぬこともすでに四年ぶりであった。どんなにお変りになったろう。いやいや、
平常
(
ふだん
)
のお
心懸
(
こころがけ
)
、老来いよいよ御壮健かも知れない。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「さやうでゐらつしやいませう、何と申したつてこの山奥で御座いますから。全体旦那がお一人でゐらつしやると云ふお
心懸
(
こころがけ
)
が悪いので御座いますもの、それは為方が御座いません」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
有っても一向
心懸
(
こころがけ
)
のございません僕なんざ、年の暮に、太神宮から暦の廻りますまでは、つい気がつかないでしまいます。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
正直者
(
しょうじきもの
)
の
香織
(
かおり
)
は、
涙
(
なみだ
)
ながらに、
臨終
(
りんじゅう
)
に
際
(
さい
)
して、
自分
(
じぶん
)
の
心懸
(
こころがけ
)
の
悪
(
わる
)
かったことをさんざん
詫
(
わ
)
びるのでした。しばらくして
彼女
(
かのじょ
)
は
言葉
(
ことば
)
をつづけました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
お
連合
(
つれあい
)
の今の後室が、忘れずに、大事にかけてござらっしゃる、お
心懸
(
こころがけ
)
も
天晴
(
あっぱれ
)
なり、来歴づきでお宝物にされた鏡はまた錦の袋入。こいつも
可
(
い
)
いわい。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうした
場合
(
ばあい
)
に
平生
(
へいぜい
)
心懸
(
こころがけ
)
のよいものは、『これも
因縁
(
いんねん
)
だから
致方
(
いたしかた
)
がございませぬ……。』と
言
(
い
)
って、
立派
(
りっぱ
)
にあきらめてくれますが、
中
(
なか
)
には
随分
(
ずいぶん
)
性質
(
たち
)
のよくないのがない
訳
(
わけ
)
でもございません。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
江崎のお縫は芳原の
新造
(
しんぞ
)
の
女
(
むすめ
)
であるが、
心懸
(
こころがけ
)
がよくッて望んで看護婦になったくらいだけれども、橘之助に附添って嬉しくないことも無いのであった。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
え、雀部さんの多磨太なんで、から仕様が
無
(
ね
)
えんです。何だそうで、全体
心懸
(
こころがけ
)
が悪うがすよ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かねての
心懸
(
こころがけ
)
が
宜
(
よろ
)
しゅうござりますので、私共もはや、特別に目を懸けまして、他人のように思いませぬから、毎晩
魘
(
うな
)
されまするのが、目も当てられませぬ、さればと申して
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんな
心懸
(
こころがけ
)
じゃあ
盲目
(
めくら
)
の夫の前で、
情郎
(
いろおとこ
)
と
巫山戯
(
ふざけ
)
かねはしないだろう。
厭
(
いや
)
になったらさっぱりと突出すが可いじゃあないか、あわれな
情
(
なさけ
)
ないものを
捕
(
つかま
)
えて、
苛
(
いじ
)
めるなあ残酷だ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母親の富とは大違いな殊勝な
心懸
(
こころがけ
)
、自分の望みで大学病院で仕上げ、今では町
住居
(
ずまい
)
の看護婦、
身綺麗
(
みぎれい
)
で、
容色
(
きりょう
)
も
佳
(
よ
)
くって、ものが出来て、深切で、
優
(
おとな
)
しいので、寸暇のない処を
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いかがでございましょう、頂く訳には参りませんか、どうです、蝶さん、ここに是非
一番
(
ひとつ
)
君のお酌をという、厄介な、
心懸
(
こころがけ
)
の悪いのが出来上ったんですが、悪うございますか。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「一体何じゃ、内へござる
他
(
ほか
)
の方とはちと気風が違っていなさるから、その辺が何となく御身分のある方とはお
交際
(
つきあい
)
がなさりにくいのじゃ、それも
心懸
(
こころがけ
)
一ツで、の、ああどうともなります。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まず第一のお
心懸
(
こころがけ
)
じゃよ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“心”で始まる語句
心
心配
心地
心持
心算
心細
心得
心底
心臓
心許