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往来
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ゆきゝ
ふりがな文庫
“
往来
(
ゆきゝ
)” の例文
旧字:
往來
何んな類ひの私達の
往来
(
ゆきゝ
)
でもどちらかのうちの誰でもが気にもしなかつたのであるが、そしてまた私達にしろ平気であつたのだが
サロメと体操:ヘツペル先生との挿話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
江戸の町にいふ
店下
(
たなした
)
を越後に
雁木
(
がんぎ
)
(又は
庇
(
ひさし
)
)といふ、雁木の下広くして
小荷駄
(
こにだ
)
をも
率
(
ひく
)
べきほどなり、これは雪中にこの
庇
(
ひさし
)
下を
往来
(
ゆきゝ
)
の
為
(
ため
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一しきり
渡場
(
わたしば
)
へ急ぐ人の
往来
(
ゆきゝ
)
も今では
殆
(
ほとん
)
ど絶え、橋の下に
夜泊
(
よどま
)
りする
荷船
(
にぶね
)
の
燈火
(
ともしび
)
が
慶養寺
(
けいやうじ
)
の高い
木立
(
こだち
)
を
倒
(
さかさ
)
に映した
山谷堀
(
さんやぼり
)
の水に美しく流れた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此の裏手はずっと崖になって、
下
(
くだ
)
ると谷中
新幡随院
(
しんばんずいいん
)
の墓場
此方
(
こちら
)
はお馬場口になって居りますから、人の
往来
(
ゆきゝ
)
は有りません。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
之
(
これ
)
が夏なら街路にはもう人の
往来
(
ゆきゝ
)
もあろうし、こんな叫び声が聞えたら、あすこ、こゝの別荘から
忽
(
たちま
)
ち多勢の人が飛んで来ようが、今は季節外れの十二月で
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、君は瀬川君と師範校時代から御一緒ではあり、日頃親しく
往来
(
ゆきゝ
)
もして居られるやうだから、君に聞いたら
是事
(
このこと
)
は一番好く解るだらう、斯う思ひましてね。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
代助は
軽
(
かる
)
い
箱
(
はこ
)
が、
軌道
(
レール
)
の
上
(
うへ
)
を、苦もなく
滑
(
すべ
)
つて
行
(
い
)
つては、又
滑
(
すべ
)
つて
帰
(
かへ
)
る迅速な
手際
(
てぎは
)
に、軽快の感じを得た。其代り自分と
同
(
おな
)
じ
路
(
みち
)
を容赦なく
往来
(
ゆきゝ
)
する
外濠線
(
そとぼりせん
)
の
車
(
くるま
)
を、常よりは騒々
敷
(
しく
)
悪
(
にく
)
んだ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
午前三時の事だから、人の
往来
(
ゆきゝ
)
はない。そのうち病院横町の裏へ来ると、一軒の家の高い窓から明りのさしてゐるのが、猩々の目に付いた。それがレスパネエ夫人の住んでゐた第四層屋の窓であつた。
病院横町の殺人犯
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
往来
(
ゆきゝ
)
しぬ。あさましき物
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
江戸の町にいふ
店下
(
たなした
)
を越後に
雁木
(
がんぎ
)
(又は
庇
(
ひさし
)
)といふ、雁木の下広くして
小荷駄
(
こにだ
)
をも
率
(
ひく
)
べきほどなり、これは雪中にこの
庇
(
ひさし
)
下を
往来
(
ゆきゝ
)
の
為
(
ため
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
っては別に
往来
(
ゆきゝ
)
もない処で、人目にかゝる気遣いはないからというので、是から合図をして藪蔭へ
潜
(
くゞ
)
り込み
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嗜好物は、(デーモンス・ネクター)と称ばるゝ酒なり。中世紀前半頃より、陸に城を構へ、
往来
(
ゆきゝ
)
の旅人を拉して、屋上からその生血を吸ひて餌食となせり。
鬼の門
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
学校の違う間も互に
往来
(
ゆきゝ
)
はしていたのでいわば親譲りの友人だった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
(前にもいへり)
往来
(
ゆきゝ
)
の
路
(
みち
)
にも掘あげありて山をなすゆゑ、春雪のこほるにいたれば、この雪の山に
箱梯
(
はこばしご
)
のごとく
階
(
だん
)
を
作
(
つく
)
りて往来のたよりとす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
丈助は忍んで小三郎の跡を躡けてまいり、
四辺
(
あたり
)
を見まするとパッタリ
往来
(
ゆきゝ
)
も絶えました様子ゆえ、
後
(
うしろ
)
から声をかけ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日頃は彼が万十郎達と
往来
(
ゆきゝ
)
してさへ、何しろ服部は名うての壮士で懲役へ行くのを自慢にしてゐる人物なんだから——とたいもお葉も好い顔はしなかつたのに
サクラの花びら
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
根岸刑事は相変らず教会の前を
往来
(
ゆきゝ
)
しながら考えた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
(前にもいへり)
往来
(
ゆきゝ
)
の
路
(
みち
)
にも掘あげありて山をなすゆゑ、春雪のこほるにいたれば、この雪の山に
箱梯
(
はこばしご
)
のごとく
階
(
だん
)
を
作
(
つく
)
りて往来のたよりとす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
寒くなると人の
往来
(
ゆきゝ
)
は少のうなります、酒臭き人の
往逢
(
ゆきあ
)
う寒さかなという句がありますが、たま/\通る人を見ても
恵
(
めぐみ
)
を受けようと思う様な人はさっぱり通りません。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此ふゞきは
晴天
(
せいてん
)
にも
俄
(
にはか
)
におこり、二日も三日も雪あれしてふゞきなる事あり、
往来
(
ゆきゝ
)
もこれが
為
(
ため
)
にとまること毎年なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
往来
(
ゆきゝ
)
は
素
(
もと
)
よりなし、山国の事でございますから木に当る
風音
(
かざおと
)
と谷川の
水音
(
みずおと
)
ばかりドウードッという。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此ふゞきは
晴天
(
せいてん
)
にも
俄
(
にはか
)
におこり、二日も三日も雪あれしてふゞきなる事あり、
往来
(
ゆきゝ
)
もこれが
為
(
ため
)
にとまること毎年なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
頃は向島の花見時、
一方口
(
いっぽうぐち
)
の枕橋近辺に其れとなく見張って居りますので、
往来
(
ゆきゝ
)
の人は立止りますくらい、文治は遥か離れて向島より知らせの来るのを待受けて居ります。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
贔屓というを名にして仕事を云付け、
屡々
(
しば/″\
)
往来
(
ゆきゝ
)
して親しく
出入
(
でいり
)
をさせようとしたが、
此方
(
こっち
)
で親しまないので余計な手間料を払ったり、不要な道具を注文したりして恩を
被
(
き
)
せ
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
向うは
往来
(
おうらい
)
が
三叉
(
みつまた
)
になっておりまして、
側
(
かた
)
えは
新利根
(
しんとね
)
大利根
(
おおとね
)
の
流
(
ながれ
)
にて、
折
(
おり
)
しも空はどんよりと雨もよう、
幽
(
かす
)
かに見ゆる
田舎家
(
いなかや
)
の
盆灯籠
(
ぼんどうろう
)
の火もはや消えなんとし、
往来
(
ゆきゝ
)
も
途絶
(
とだ
)
えて
物凄
(
ものすご
)
く
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
往来
(
ゆきゝ
)
も途絶えて物淋しい所へ、大の男がいきなりヌッとあらわれましたので、幸兵衞はぎょっとして
遁
(
に
)
げようと思いましたが、女を連れて居りますから、度胸を据えてお柳を
擁
(
かば
)
いながら
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其の時空は少し雪模様になってひゅう/\と風が吹き
往来
(
ゆきゝ
)
も止った様子、当今なれば巡査がポカアリ/\廻られて居るから飛込む事は出来ませんが、人通りのないのを
幸
(
さいわい
)
欄干に手を掛けて
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
往来
(
ゆきゝ
)
の者は驚きました。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“往来”で始まる語句
往来中
往来際
往来止
往来側
往来傍
往来状
往来繁
往来餽遺