“往来際”の読み方と例文
読み方割合
おうらいぎわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あとからつづいて停車した電車の車掌までが加勢に出かけて、往来際おうらいぎわには直様すぐさま物見高い見物人が寄り集った。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
広重が東都名勝の錦絵のうち外桜田の景をても堀端の往来際おうらいぎわには一本の柳とても描かれてはいない。土手を下りた水際みずぎわの柳の井戸の所に唯一株ひとかぶの柳があるばかりである。
荒布あらぬのの前掛を締めた荷揚の人足が水に臨んだ倉の戸口に蹲踞しゃがんで凉んでいると、往来際おうらいぎわには荷車の馬がたてがみを垂して眼を細くし、蠅のれを追払う元気もないようにじっとしている。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)